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欧州ワインは2019年に価格競争激化? 日欧EPA発効で勝負の年に

12/6(木) 12:40配信

日本食糧新聞

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が19年2月1日に発効される見通しとなった。欧州産ワインにかかる関税が即撤廃され、伸び悩んでいるワイン需要が回復すると期待が高まっている。一方で、単価の下落による欧州産ワインの価格競争を危惧する声も多い。19年10月に消費増税、20年にはワイン増税が迫る中、来年はファン獲得に向け各社の提案力が試される勝負の1年となる。

市場の活性化に期待も

ワインの課税数量は、08年以降拡大を続け、15年に過去最高を更新した。国内ワイン市場は1本500円前後のチリ産ワインをけん引役に拡大してきた。

一方で、売場がチリ産一辺倒になり単価の下落が続いた。7年の秋口からワイン入門者が手軽に酔えて食事とも合う缶チューハイなどのRTD(レディー・トゥ・ドリンク)やハイボールへ流出している。

18年は特にチリ産の低価格品が苦戦し総需要を押し下げているもよう。夏場の猛暑の影響も受け、年間では前年比2~3%減で着地する見通しだ。

日欧EPA発効を機に、欧州産ワインに関心が集まり新規飲用者の取り込みが進むことで市場の活性化が期待される。上質なワインを手軽な価格で提供し、継続的に需要を高めることが重要だ。

期待が広がる一方で、チリ産ワインの単価下落と同様の形で、欧州産ワインの低価格化を懸念する声もある。「500円以下の価格帯では欧州産よりチリ産の品質が高い。欧州産の低価格品では品質が担保できず、リピートにつながらないのでは」とインポーターは指摘する。関税が撤廃されたからといってただ安い商品では、RTDからユーザーを取り戻せないと懸念を示す。

店頭での値下げにはタイムラグ

EPA発効後は、欧州産のボトルワイン(750ml)1本当たりで最大約94円、スパークリングワインは約137円の関税が即時撤廃される。一方で、発効と同時に一律で店頭価格が値下げされるわけではない。完全撤廃前に仕入れた在庫があるためだ。1月末までにいかに在庫を減らせるかが焦点。

一般に、関税相当額が価格に反映されるのは、在庫消化後の4月から5月ごろになるとの見方もある。

また、蔵出し価格や為替環境、物流費など関税以外の要素も含めて値付けする。容易に価格転嫁できない状況の中、インポーターは小売からの値下げ圧力を懸念する。量販向けの1000円以下の商品は、関税撤廃の恩恵は大きい。業務用商品は比較的単価が高いので影響は小さいとされる。

シャンパーニュをはじめとするスパークリングワインの輸入数量は8年連続で拡大した。関税撤廃のメリットが大きい欧州産スパークリングワインは今後も好調な伸長が続きそうだ。

※日本食糧新聞2018年12月5日号の「ワイン特集」から一部抜粋しました。

最終更新:12/6(木) 12:40
日本食糧新聞

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