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福知山鉄道館再開を検討委が提言 市長は慎重姿勢

2018/12/6(木) 15:30配信

両丹日日新聞

 3月末に休館した京都府福知山市下新町の「福知山鉄道館ポッポランド1号館」のあり方検討委員会(杉岡秀紀委員長、10人)は5日、市の諮問を受けて協議を続けてまとめた提言書を大橋一夫市長に手渡した。「まち全体が鉄道のまち」として市内のSL展示場所や公共施設など6カ所に分散移転して再開を求める内容。大橋市長は再開に前向きな発言はせず、「じっくりと検討する」と答えるにとどめた。

 1号館は、施設の老朽化や耐震性から入館者の安全確保ができないとの理由で休館。有識者らでつくる検討委では、初回7月の会合で協議の結果、「再開を前提にする」ことを確認。その後5回の会合と視察を重ね、当初の設置目的の中心市街地活性化ではなく、時代に合わせたものにするため再検討した。

 提言は委員7人が市役所を訪れた。杉岡委員長が「市内に子どもからお年寄りまで幅広い層が集まる拠点をつくり、鉄道のまち・福知山の歴史を市民の誇りとして未来に継承し、観光地域づくりに寄与する」のが提言書のビジョンであることを説明。さらに、長年続いて盛り上がりをみせたミニSLフェスタの再開も求めた。

 委員からは「会合では地域振興や子育て支援について考えた。ポッポランドの再開を機に市全体が活性化することを願う」「いろんなアイデアを結集すれば存続できると思う」「鉄道のまちのシンボルなので、分散してでも灯を消さないでほしい」などと要望が相次いだ。

 これに対して、大橋市長は「提出していただいた提言書をもとに実現の可能性や財政状況を踏まえて検討したい」と慎重な姿勢を示した。再開の思いについての記者からの質問に「提言書を受け取ったばかりで、再開するか否かについて今は答えられない。しかし、市内にはSLが展示されており、鉄道のまち・福知山の歴史を伝承していくとの気持ちは変わらない」とした。

 提言書によると、新たなポッポランドは「歴史継承」「観光振興」「子育て支援」「市民参加」をキーワードに、既存の鉄道資料などの展示だけでなく、“撮り鉄”の展示スペース、旧国鉄・北丹鉄道のビデオライブラリー、ミニSL乗車会の定期開催、駅弁や記念グッズの販売などを新規事業として盛り込む。

 設置場所は既存の施設も含み、0号館が福知山駅南口公園(SL、転車台展示)▽1号館が丹波生活衣館の一部(ジオラマ、鉄道資料展示)▽2号館が広小路通り(SL展示)▽3号館が児童科学館の一部(映像、鉄道資料展示)▽4号館が旧勤労青少年ホーム横の伯耆丸公園(ミニSL乗車会の定期開催)▽5号館が西駅公園(北丹鉄道2号機模型展示)。周遊の仕掛けをつくるとしてモデルコースも記した。

 事業主体は従来と同じ公設民営。初期投資や施設整備は公(一部は民によるファンドなども検討)で支え、運営は経営視点を取り入れられる民に任せる。このほか資金調達面で、設置費用はすべてを税で賄うのではなく、市民の寄付、ふるさと納税、クラウドファンディングなどを活用し、運営費用は入場料やミニSL乗車料、カフェ売り上げ、物販などで確保し、自立的運営をすることが望ましいとしている。

最終更新:2018/12/6(木) 15:30
両丹日日新聞

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