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入管法改正案 事実上の移民受け入れで人手不足解消?

12/6(木) 11:34配信

THE PAGE

新たな在留資格を設け、外国人労働者に付与

 外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案は衆議院を通過し、参議院での採決をめぐって緊迫しています。この法案については、事実上の移民政策であるとして賛否両論が出ていますが、改正入管法が成立した場合、日本経済はどうなるのでしょうか。

 現在、日本には128万人の外国人労働者が働いています。日本には働いている人(就業者)が約6500万人もいますから、率にするとまだ2%程度ですが、外国人労働者が就労する業界には偏りがあり、小売りや建設、農業といった分野においては、もはや外国人労働者なしでは立ち行かないというのが現実でしょう。

 これまで日本では外国人が単純労働に従事することを原則として禁止していました。実際には学生ビザ(留学ビザ)で入国し、そのまま就労するといったケースはありますが(時間制限あり)、純粋な単純労働目的の入国は不可だったわけです。衆院で可決した改正案では、業種を特定した上で、一定の能力が認められる外国人労働者に対して、新しい在留資格である「特定技能1号」と「特定技能2号」を付与できるとしています。1号の場合には家族の帯同が不可で、在留期間は最長5年、2号の場合には家族帯同が可能で、期間は無制限となっています。

 1号の場合には、家族と一緒に暮らすことを許さず、期間が終了した後は、強制的に帰国させるという仕組みですが、厳格にこれを運用するとなると、いろいろと問題が生じます。日本で生活する中で結婚する人も出てきますし、期限が終了したからといってせっかく仕事に慣れた従業員を企業側は簡単に手放さないでしょう。また日本の場合、10年間滞在していると永住権を取得できる可能性がかなり高まってきます。一連の状況を客観的に分析した場合、今回の法案は事実上の移民受け入れ策であるという理解が適切でしょう。

外国人労働者は人手不足に悩む業界に

 実は日本国内には、会社から給料をもらっていながら実質的に仕事がない人(いわゆる社内失業者)が何と400万人もいるといわれています。今回の法改正であらたに入国する外国人労働者は年間数万人程度ですから、単純に数の上では、外国人労働者に頼る必要はまったくないというのが現実です。

 しかしながら外国人労働者が従事する仕事は、労働環境の厳しさから日本人の担い手が少ない分野ですから、社内失業者の転職を促したとしても、すべての分野で人手不足が解消するわけではありません。

 社内失業は終身雇用制度がもたらした結果ですが、この制度を維持する限り、人手不足は続きます。人手不足を解消したいけれど、日本人はやりたがらないということであれば、今回の法改正は避けては通れないという結論になります。どうしても移民政策を望まないという場合には、すべての仕事を日本人がこなす覚悟が必要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:12/6(木) 14:16
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