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間近で聞いて強くなる女流棋士・貞升南、聞き手の際は「気になる手は積極的に聞く」

12/6(木) 11:34配信

AbemaTIMES

 将棋の対局番組で、実際に対局している2人に負けないくらい存在感があるのが、解説・聞き手だ。盤上の局面を的確に視聴者に説明する解説がいる一方で、視聴者が求めている疑問、さらには番組の雰囲気までコントロールする聞き手は、主に女流棋士が務めることが多い。貞升南女流初段も、そんな聞き手を務める1人だが、視聴者向けの仕事に中でも「気になる手は積極的に聞くようにしています」と、自分を高めるチャンスと捉えている。

 「先生、この局面はどうですか」。聞き手の女流棋士が、解説の棋士にこんな質問をしたとする。当然、男性棋士は「ここがこうならこうなって…」と解説、さらには今後の展開の予想までするわけだが、こればかりでは味気がない。せっかく「聞き手」がいる意味がない。対局している2人について、さらには解説をしている棋士について、様々な情報を引き出すのも、聞き手の役割になっている。「その人の良さが出るようにと、いつも考えているんですよね。解説の先生があまりしゃべらない方でも、どんなものが好きなのかなあとか、いっぱいしゃべってくれることはなんなのか、考えています」と、将棋同様に“戦型”を事前に考えるわけだ。「私自身があまり交流のない方だったら、仲がよさそうな方に聞いてみて情報を仕入れることもあります。それでも情報が入らない時は、リハーサルの段階からご本人にちょこちょこ聞きますね」。放送への準備は、対局直前にまで及ぶこともある。

 「聞き手」という仕事の楽しみについて、女流棋士が口をそろえていうのは、今起きている対局の内容について、手本となる棋士に質問をぶつけられることだ。「もちろん初心者の方向けの質問もするんですけど、自分が気になる手とかは、積極的に聞こうとしています。終盤とかで、自分の指し手が当たっていたりするとうれしいですね」と、はにかんだ。もともと将棋の文化には、将棋を「教える」「教わる」という表現が使われ、それゆえ棋士は「先生」と呼ばれる。プロになるには師匠を見つける必要もある。自分1人で対局について考えるのではなく、自分より強い棋士に、しかも対局者の次に対局に近い環境で、ライブで質問をぶつけ続けられるのだから、「教わる」側としては、これ以上の環境がない。

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最終更新:12/6(木) 11:34
AbemaTIMES

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