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女性の結核を見落とす…女性と接触は128人 県立がんセンターが謝罪 初診の3カ月前には発症か

12/6(木) 22:41配信

埼玉新聞

 埼玉県立がんセンター(伊奈町)は6日、多発性骨髄腫の診療中だった県北部在住の60代女性患者の結核を見落としていたと発表した。レントゲンを撮影したが、担当の血液内科医が肺の陰影に気付かなかった。女性は病状が悪化したものの、現在は結核の専門病院に入院して治療を受けており、命に別条はない。

女性の結核を見落とす…医師が陰影に気付かず 県立がんセンターが謝罪 カルテにレントゲンの記録もなく

 女性患者との接触が把握できた人は現時点で職員、患者計128人で、同センターは結核感染の有無を調べる検査を始めた。

 同センターによると、女性は多発性骨髄腫の治療のため、今年4月中旬から8月初旬まで入院や通院をしていた。受診前から発熱や血痰の症状があり、喉の痛みも訴えていた。担当医が抗生物質を投与したところ症状が改善したため、結核という考えに至らなかったという。実際は、初診の3カ月前には発症していたとみられる。

 4月中旬に撮影した胸部のレントゲンでは肺に陰影があったが、担当医が気付かず、結核の診断をしなかった。担当医は「(レントゲンを)見た覚えも見なかった覚えもない。明確な記憶がない」と話しているという。

 同センターでは6月、手術でカテーテル(管)を挿入する際に血管や臓器を傷つけ、手術直後に患者が死亡する医療事故が発生。そのため同じ手術が同センターではできず、女性が8月初旬に他院に移ったところ、結核を発症していたことが10月下旬に判明したという。同センターは、保健所から連絡を受けて見落としを把握した。

 女性は11月に専門病院に入院。入院時より結核の症状は改善したが、多発性骨髄腫の治療は中断している。

 会見した坂本裕彦病院長は「患者やご家族、県民の皆さんに多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることをおわび申し上げる。レントゲンを撮っているのに診断できなかったという体制の不備があり、安全な医療を行う上で責任は大きい」と謝罪した。

最終更新:12/6(木) 23:09
埼玉新聞

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