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CDジャケット写真、最も多く使われるデザインはやっぱり“アレ”だった

12/7(金) 11:45配信

エキサイトミュージック

突然だが、皆さんはCDジャケットのことをどう思っているだろうか?

どうも思っていない方が大半であることは薄々わかっているものの、私個人の意見を言わせてもらうならCDジャケットとはアーティストの世界観を伝えてくれるものであり、部屋の大事なインテリアであり、なにより同じCDを間違えて買ったり借りたりしないための最期の砦だと思っている。そのうえで今回問いたいのがこの問題だ。

題して「CDジャケットには、何が描かれがちなのか?」問題である。

なお、調べ始める前は「正直CDジャケットって、だいたい顔のアップ写真やビーチの写真ばっかりでは?」などというかなり浅い考えを持っていたのだが、実際に見てみると(当たり前だが)かなり多種多様なデザインがあり、それだけで1冊の本になってしまうぐらい奥深いジャンルだということに気が付いた。

今回の調査は、2007-2017年における、各年の年間売上ランキング1-15位のCDアルバム、計165枚を対象とした。また、シングルCDはどうしてもCD特典がランキングに反映されやすくジャンルが偏ってしまうため、アルバムのみを調べている(あわせて初回限定盤と通常版が異なる場合は通常版を、ジャケットに複数パターンがある場合はAタイプを採用している)。

では早速だが、まず結果を見てみよう。ずばりCDジャケットに「何が描かれているか」を分類したのが以下である。

1.アーティストの本人写真:59.4%
2.ロゴ・文字:19.4%
3.モノの写真:9.1%
4.イラスト:7.9%
5.他人の写真:4.2%

最も多いのは「アーティストの本人写真」のCDジャケット。調べている身としても「そりゃそうだよな」と頷かざるを得ない納得の結果である。また、「ロゴ・文字」「モノの写真」「イラスト」に続いて、最も少ない約4%のCDジャケットは、アーティスト本人ではないまさかの他人の写真が使われており、「いや逆に誰の写真?」と気になるのはやまやまだが、焦らずにここからは順番に詳細を見ていきたい。

1.ジャケの本人写真はどこで撮っているのか?
まずはアーティストの本人写真を使ったCDジャケットの詳細を見てみよう。一概に「本人写真」と言っても、写真のコンセプト自体はさまざまだ。そこで今回は本人写真ジャケットの「背景が何なのか?」を、ざっくり出してみた。その結果が以下である。

最も多いのが「スタジオセットや壁」が背景のジャケット写真(計44枚)。仮にもアートワークであるCDジャケットの背景を「壁」と呼ぶのはあまりに無粋かと思ったが、意外と背景が「いかにも壁です!」という感じのジャケットは多く、他に形容しようがなかったので許して欲しい。わかりやすい例を挙げると、いきものがかり「My song Your song」やアヴリル・ラヴィーン「ベスト・ダム・シング」のようなジャケットなどが「壁ジャケ」である。

また、壁だけど壁らしくない「スタジオセット」背景のジャケは、安室奈美恵「Checkmate!」やTWICE「#TWICE」などが該当し、かなりの主流と言えそうだ。

また、「スタジオセットや壁」に次いで多かったのが「屋外」で撮影されたCD(計19枚)だ。内訳として最も多かったのは、空や木などの自然の風景を背景にした「自然ジャケ」で、9枚がここに当てはまる。具体的にはYUI「CAN'T BUY MY LOVE」、ゆず「YOZU YOU[2006-2011]」、Superfly「Mind Travel」などで、確かになんとなーく自然の中で撮りたくなる面々が並んでいるのがそれらしい。

次に多かったのが「イラストと写真のコラージュ」16枚、それから「どアップ写真」の14枚だ。イラストと写真のコラージュの例は、NMB48「世界の中心は大阪や~なんば自治区~」、どアップ写真は絢香「Sing to the Sky」などが挙げられる。

ちなみに「どアップ写真」のジャケットは14枚中、なんと13枚が女性アーティストのアルバムであった。なお、唯一男性アーティストで「どアップ写真」をジャケットにしていたのは、福山雅治「残響」で、何がとまでは言わないが、なんとなく納得の結果である。

また「本人写真」のうち、最も背景に使われることが少ないのが「屋内(5枚)」で、これは実在する建物や、スタジオセット感の薄い、現実的な屋内のジャケットが当てはまる。具体的には竹内まりや「TRAD」や、乃木坂46「それぞれの椅子」などがここに当たり、なぜか階段を背景とする「階段ジャケ」が多かった(5枚中3枚)。

2.「モノの写真・イラスト・本人以外の人の写真」は何を撮っているのか?
次に「本人の写真」以外のCDジャケットでは何を撮っている(描いている)のかを見ていこう。これはさすがにテーマが多岐にわたり、まとめるのが難しかったため、一覧で見ていただきたい。

モノの写真やイラストは「アーティストの写真・名前を使うよりも、アルバムのコンセプトを推し出したい」という時に使用されるようで、アルバム名と関連したモノ・人が使われていることがほとんどだった。

また、アーティスト本人以外の人の写真を使った「他人ジャケ」は、「男性アーティストが女性の写真を起用する」「日本人アーティストが外国人の写真を起用する」などが多く、こちらもアルバムコンセプトに寄せた結果、本人以外の人の写真を使うという、ある意味奇抜な決断をしているようである。

なお、具体的にどれが何のアルバムのジャケットかは伏せておくので、歴代の年間アルバムランキングを元に、ぜひ予想して楽しんでいただければ幸いだ(個人的には「足跡」や「女性のアップ写真」はわかりやすいのでないかと思う…!)

3. ジャンル別に見るとどう違うのか?
それでは最後に、音楽のジャンルごとにCDジャケットに描かれるものに違いがあるのかを見てみよう。

Wikipedia上の分類を元に、アーティストを「ポップス・アイドル・ロック・その他」に分類したうえで、出してみたのが以下である。

結果を見ると「アーティストの本人写真」が最も多いジャンルは「アイドル」となった。ほぼ8割近くのジャケットが本人写真となっており、ファンとしては非常にありがたい限りである。
ちなみに、逆に「アイドルだけど、本人写真をCDジャケットに使わない」という、かなり強気な決断をしているCDとしては、SMAP「SMAP 25 YEARS」などが当てはまり、いろんな意味で感慨深い話である。

また、逆にロックではCDジャケットに「アーティストの本人写真」を使う方が珍しく、10%ほどしか使われていないようである。

一応これには「そもそも年間ランキングに、ロックアルバムが入りにくい → 入るのはほとんどベストアルバム → ベストアルバムはバンドのロゴを使ったものが多い」という裏があるのだが、とはいえここまで大きな差がつくのは、ロックというジャンルの矜持があるからだろう(ちなみに、逆に「ロックバンドだがCDジャケットに本人写真を使っている」例としては、B'z「MAGIC」などがあり、これはこれでカッコいいと思うのでどんどんやって欲しいとも思う)

それでは、今回の調査はここまでである。ストリーミングサービスが主流になり、だんだんと見かけることが少なくなってきたCDアルバムのジャケットだが、改めて見比べると、それぞれのアーティストの世界観やスタンスが伝わってきて楽しいものだ。暇を見つけて、たまには「ジャケ」を目的にCDショップに入ってみてもいいかもしれない。

■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。

maishilo

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