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貴ノ岩の引退、相撲協会が発表 冬巡業中に付け人に暴力

12/7(金) 16:40配信

毎日新聞

 日本相撲協会は7日、大相撲の冬巡業中に付け人(23)に暴力を振るった前頭・貴ノ岩(28)=本名アディヤ・バーサンドルジ、モンゴル出身、千賀ノ浦部屋=の引退を発表した。同日、貴ノ岩自身が「責任を痛感している。引退したい」として引退届を提出。同協会の八角理事長(元横綱・北勝海)が貴ノ岩の意思を確認し、同日付で受理した。

 同協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「本人の引退の意思が強く、それを尊重した」と説明。「暴力根絶に取り組んでいる中で本当に残念だ。研修を重ね、再発防止に努めたい」と語った。

 貴ノ岩は同日夜、東京都台東区の同部屋で千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)とともに記者会見し「弟弟子に手を上げて大変つらい思いをさせた」と頭を下げ、「相撲を取りたかったが、責任を取る気持ちが強かった」と引退を決めた理由を語った。

 貴ノ岩は貴乃花部屋に入門し2009年初場所で初土俵。昨秋の元横綱・日馬富士による傷害事件で頭部を負傷し、昨年九州場所から2場所連続で全休。元日馬富士は引責引退した。今年9月の秋場所後には、元貴乃花親方(元横綱)の退職で部屋が消滅し、貴ノ岩らは千賀ノ浦部屋へ移籍した。【飯山太郎、真下信幸】



 ◇被害者が一転加害者 貴ノ岩引退に暴力根絶の難しさ浮き彫り



 昨秋の元横綱・日馬富士による傷害事件の被害者から一転、自らが加害者となった貴ノ岩。その引退は、暴力根絶の難しさを改めて浮き彫りにした。

 日本相撲協会は元日馬富士の事件を受け、再発防止のため外部有識者の第三者委員会を設け、暴力問題について力士はじめ全協会員に聞き取り調査を行った。調査では暴力を振るった者の84・9%は、過去に暴力を受けていた。角界内には「殴られて強くなった」という“あしき美談”が数多くある。貴ノ岩も「負の連鎖」を断ち切れなかった。

 被害者の付け人は「わだかまりは特にない」と話し、被害届も出していない。「辞めることはないのに」と引退に驚く協会幹部もいた。だが、同協会は10月に「いかなる暴力も許さない」とする暴力決別宣言をしたばかり。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「加害者、被害者が互いに納得していても、暴力は協会の努力を裏切る行為だ」と述べ、協会員に暴力根絶への認識を改めて深めるよう訴えた。【飯山太郎】

最終更新:12/7(金) 21:33
毎日新聞

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