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入管法改正、送り出し国も注目

12/7(金) 18:31配信

毎日新聞

 外国人労働者の受け入れ拡大を目的とする入管法改正の行方は、ベトナムやフィリピンなど送り出し側のアジアの国も注目する。法改正による条件緩和を歓迎する声が多いが、日本社会に外国人労働者を受け入れる準備が整っているのか疑問を投げかける見方もある。中東各国や韓国、台湾なども働き手を呼び込む中、受け入れ国それぞれの実情を比較する意識も高いようだ。

 ベトナムでは地元メディアが、法改正で受け入れ対象が農業や建設業など単純労働にも広がることを歓迎するなど関心が高い。日本語通訳として技能実習生の送り出し機関に関わるベトナム人女性(32)は「従来の3年は短く、もっと働きたいという人が多かった」と話す。

 バングラデシュでも「失業がまん延する国にとって予期せぬ機会」(ダッカ・トリビューン紙)などと好意的に受け止められている。首都ダッカで日本関連の事業を展開するバングラ人男性によると、最近、日本で働くための問い合わせが相次いでいる。男性は「既に多くのバングラ人が働いているアラブ諸国ではバングラ人に対する差別があり問題になっている。日本は言葉のハードルは高いが、労働環境を充実させれば働き先として人気が出るだろう」と見る。

 一方、海外に多くの労働者を送り出すフィリピンには慎重な声もある。フィリピンのネットメディア「ラップラー」は、改正により熟練した技能があれば在留期間を更新し、家族帯同が可能になることについて「安倍政権内ですら警鐘を鳴らす声がある」と指摘。日系ブラジル人労働者らが抱える日本社会での疎外感にも触れて、まだ外国人労働者受け入れに抵抗感が強い日本社会の状況を紹介した。シンガポールの経済紙「ビジネス・タイムズ」も安倍政権が「移民政策ではない」と強調していると報じ、国民の理解が得られているのか疑問視する。

 インドネシアのリアンティさん(31)は、2009年から昨年まで台湾と香港の家庭で住み込みの介護職に就いていたが、次は日本で働きたいという。出稼ぎが長引くなかで夫とは離婚。小学生の長男は1歳から実家に預けたままだ。出稼ぎによる家庭崩壊はよくある話だという。リアンティさんは「家族と離れたくないのは、みな同じということを受け入れ国の人にも分かってほしい」と話す。【バンコク西脇真一、ニューデリー松井聡、ジャカルタ武内彩】

最終更新:12/7(金) 19:57
毎日新聞

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