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児童虐待対策、常勤弁護士の配置推進盛る

12/7(金) 20:28配信

毎日新聞

 厚生労働省の社会保障審議会のワーキンググループ(WG)は7日、児童虐待防止対策の強化に向けた報告書素案について議論した。素案は、児童相談所(児相)が法的なバックアップを受けて子どもを迅速に保護できるよう「常勤弁護士の配置推進」を盛り込んだ。ただ、配置の義務化にまで踏み込むべきかどうかでは意見が割れ、両論併記となった。

 東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)が虐待を受け死亡した事件では、児相は虐待を把握しながら自宅に帰していた。これについて厚労省などの検証は、児相が施設入所など法的措置の必要性を弁護士らに相談しなかったことを問題視している。

 2016年施行の改正児童福祉法は児相に弁護士の配置を求めている。だが、厚労省によると、常勤弁護士がいるのは全国212児相のうち7カ所止まり。大半は非常勤や弁護士事務所との相談契約だ。

 この日のWGでは弁護士配置のあり方に議論が集中。「法改正後も常勤弁護士の配置は進んでおらず必置にすべきだ」「日常的に関与するには常勤以外にあり得ない」と配置の義務化を求める意見が出た。

 だが、常勤を義務付ければ自治体は弁護士向けの予算を常勤の1人にだけ振り向ける可能性がある。「(都市部など)1人では回らない地域もあり、地域の実情に応じた方法を認めるべきだ」と非常勤の複数配置など柔軟な対応を求める意見も根強かった。

 素案では、児相が職権で子どもを保護する介入機能の強化に向け、児相を設置する都道府県・市に体制整備の計画策定を求めることとした。児相で相談や支援を担う児童福祉司らの資質向上については研修強化などを打ち出した。これに対して一部委員からは「長期的には国家資格化が必要だ」として新たに検討機関を設けるべきだとの提案もあった。

 WGは年内に報告書をとりまとめる。これを受け、厚労省は来年の通常国会への児童福祉法改正案提出を目指す。【横田愛】

最終更新:12/7(金) 20:28
毎日新聞

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