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ロヒンギャ難民「帰りたい」「自殺する」=バングラから帰国、邦人医師報告

12/7(金) 19:09配信

時事通信

 ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャが大量脱出したバングラデシュ南東部へ派遣されていた国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」の平井亜由子医師(47)=神戸市在住=が7日、東京都内で記者会見し、故郷への帰還に関し「帰りたい」「戻されるなら自殺する」と揺れ動く難民の現状を報告した。

 
 平井医師は、4日に帰国したばかり。8月から現地入りしており、バングラデシュ・ミャンマー両政府が合意した11月15日の「難民帰還開始の日」を現地で体験した。帰還は結局、実現せず、ミャンマー政府は「バングラデシュが(帰還者を)一人も送ってこない」と不満を述べたが、バングラデシュ側から見た光景は異様だった。

 バングラデシュ政府は「自発的帰還の促進」を掲げ、希望者をリストアップしたと主張していた。しかし、MSFの診療所は11月に入って受診者が半減。送還されやすいとみられた南部のキャンプから、比較的安全と考えられた北部へ、難民の「逃亡」が始まったとうわさが流れた。

 一方で精神科の受診者は増えた。送還を恐れ「自殺する」と訴える人が連れて来られるためで、リストに載った帰還希望者が「自発的というのは疑問」と平井医師は率直に感じた。

 しかし、難民に帰還の希望を聞けば「帰りたい」と答える。難民キャンプの暮らしは、夜間は外出禁止、キャンプ外へ出るには監視が付き添う。「今は自由も自立もない」「昔は人間らしく暮らしていた」と望郷の念は強い。

 ロヒンギャを追い出した農地に、現地当局は別の住民を住まわせ、戻っても家はない。ミャンマーでも避難民キャンプ暮らしが待っている。しかし、国際NGOを敵視するミャンマー政府は、こうしたキャンプでMSFが活動するのを許さない。帰還できる環境を整えるため、平井医師は「まず活動制限を解除してほしい」と訴えている。 

最終更新:12/7(金) 20:18
時事通信

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