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原因は「気持ちの弱さ」 貴ノ岩引退会見詳報

12/7(金) 21:58配信

時事通信

◇「責任取りたい。迷いはなかった」
 付け人を殴った責任を取り、引退を決めた大相撲の幕内貴ノ岩は7日夜、東京都台東区の千賀ノ浦部屋で師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に伴われて記者会見した。約70人の報道陣の前で約12秒、頭を下げた貴ノ岩。淡々とした口ぶりだったが、時折、声を詰まらせながら質問に答えた。やりとりは次の通り。

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 千賀ノ浦親方「経緯を申し上げる。12月4日夜、食事を終えた11時頃、カッとなって付け人を殴ってしまった。(理由は)飲まなければいけない薬を忘れたのに言い訳をしたから。(翌日、付け人が巡業会場の)体育館に荷物を置いていなくなってしまった。1時間くらい。心配した仲間が連絡したところ、帰って来たが顔がはれており、巡業部の聞き取りで判明し、国技館(日本相撲協会)にともに伺い、事情聴取を受けた。きのうは危機管理委員長と危機管理部長に事情説明した。
 きょう、貴ノ岩が八角理事長(元横綱北勝海)に引退を申し入れて引退となった。その際、理事長が、本当に引退という形でいいんですかと確認したが、貴ノ岩の意思が固く、引退という形になった。私もきのう貴ノ岩と話し、まだ辞めないで頑張ろうと言いましたが、本人がやってしまったことにどうしても責任を取りたい気持ちが強く、こうなった。非常に残念に思います」
 貴ノ岩「このたび巡業先で手を上げてしまい、大変つらい思いをさせたこと、そして弟弟子のお父さん、お母さん、家族の皆様、千賀ノ浦部屋の親方、おかみさん、部屋の力士たち、部屋の関係者の皆様、大相撲を支えてくださるファンの皆様、日本相撲協会に大変ご迷惑を掛けたことを心よりおわび申し上げます。本当に申し訳ございませんでした。この場を借りて、弟弟子に手を上げてしまい、大変つらい思いをさせたことを深く反省し、責任を取って本日をもって貴ノ岩義司(よしもり)、現役を引退させていただきます」
 -こういう形の引退になった心境は。
 貴ノ岩「また上を目指して頑張っていくという気持ちで相撲道に精進してきましたが、自分のやったことに深く責任を感じているところです」
 -どの段階で引退を決めたか。
 貴ノ岩「きのう決めました」
 -他の責任の取り方はなかったか。
 貴ノ岩「やっぱり引退して責任を取らないと、という気持ちが強かったです。相撲を続ける気持ちは今でもありますけど、やっぱり引退して責任を取る気持ちの方が強かったです」
 (千賀ノ浦親方が目元をこする)
 -1年前に(元日馬富士による)事件があり、番付が落ちても幕内に戻ってきたところだった。引退に迷いはなかったか。
 貴ノ岩「もう責任を取る気持ちの方が強かっただけです。迷いはありません」
 -1年前は暴力を受けた立場で、今度は手を上げる方になったのはなぜか。
 貴ノ岩「自分の気持ちの弱さ。自覚が足りなかった。そういう気持ちと反省の気持ちしかありません」
 -付け人の力士とは話したか。
 貴ノ岩「はい。話して謝罪もしました」

◇千賀ノ浦親方「残念という言葉だけ」
 -こういう形の引退になって、師匠の気持ちは。
 親方「こういう形で、暴力という形で引退となって本当に残念。まだこれから4年、5年は取れると思っていた。本当に残念という言葉しか出ません」
 -新たなスタートを切ったばかりだった。
 親方「貴乃花部屋の力士たちが私の千賀ノ浦部屋にやって来て、最初はやはり不安はありました。でも、不安の中で目を見張りながら見ていたところ、3日も4日もしたら全員、力士同士が打ち解けて和気あいあいとする姿が見えたので、私としては安心していた。その中で巡業中にこういう行為が起きたのは、何度も言うが残念です」
 -昨年から協会も一丸となって暴力との決別を目指してきた。
 親方「協会に対して本当に申し訳ないと。本当に申し訳ないとしか言えないですけど、何とも言えない。本当に残念です」
 -他の責任の取り方があったのでは。
 親方「私はきのう、貴ノ岩と2人きりで話した。引退しますということで、私はすぐ決めなくても、まだまだ頑張ろうよ、辞めなくていいんじゃないか、頑張ろうと言ったんですけど、貴ノ岩の引退する意思が固くて、やっぱり自分で引退して責任を取りたいという気持ちがすごく見えましたので。それできょう協会に行き、引退を報告させてもらった」
 -協会の処分が決まる前に。
 親方「そうです。判断がある前に、きょうは貴ノ岩と2人で引退の報告をさせていただいた」
 -処分を待たずに行動したのは。
 親方「それはもう、引退して責任を取りたいという貴ノ岩の意思が固いし、じゃあ一緒に行こうかと、協会に報告させていただいた」
 -今後は付け人へのケアも。
 親方「大変責任を感じていますので、このようなことが2度と起こらないように、弟子たちを一生懸命指導していきたい」
 -貴ノ岩へ贈る言葉は。
 親方「やっぱり気持ちは強い男ですから。今後は社会で暴力を振るったら終わりですから、とにかくよく落ち着いて、まじめにできることは何でもやってほしいし、何事に対しても一生懸命やっていける社会人になってほしいです」
 -関取から今の師匠への思いは。
 貴ノ岩「部屋に受け入れてくれて、弟子として一生懸命恩返しして精進していく気持ちでありましたが、このような形で離れるということになりまして申し訳ない気持ちしか、今はありません」
 -元貴乃花親方への思いは。
 貴ノ岩「感謝の気持ちしかありませんので。情けなく思っています」
 -元貴乃花親方に連絡はしたか。
 貴ノ岩「はい」
 -何か言われたか。
 貴ノ岩「そこは・・・。すいません」
 -モンゴルから高校生の時に来て、相撲を通じて学んだことは。
 貴ノ岩「一生懸命、無我夢中で努力することを学びました」
 -一番思い出に残っている場面は。
 貴ノ岩「いろんな思い出がありますけど、仲間と稽古で一緒に日々ぶつかりあって汗を流してきたことが思い出です」
 -今後は。
 貴ノ岩「急なことですから、今のところ考えていません」
 -暴力行為をした時に酒は飲んでいたか。
 貴ノ岩「夕食の時にビールを1杯飲んだ」
 -飲み薬とは。
 貴ノ岩「風邪薬です」
 -元貴乃花親方への思いは。
 貴ノ岩「育ててくれた感謝の気持ちと迷惑を掛けて申し訳ない気持ち。両方あります」
 -時間が戻るならいつに戻りたいか。
 貴ノ岩「また新弟子になりたいです」
(時事ドットコム編集部)

最終更新:12/7(金) 22:50
時事通信

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