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貴ノ岩、引退以外の選択肢なし 協会側も強い意思表示

12/7(金) 18:20配信

産経新聞

 貴ノ岩が引退を申し入れ、受け入れられた。選択の余地はなかった。昨年の秋巡業中に自身に暴力を振るった元日馬富士は、責任を取る形で引退に追い込まれている。元日馬富士同様に自身が暴行の加害者となってしまった以上、土俵にとどまるわけにはいかなかった。

 元日馬富士は高い品格を求められる横綱だったとはいえ、貴ノ岩も若い衆の手本となるべき関取だった。元日馬富士の問題は刑事事件に発展したほか、被害者感情やケガの程度にも違いはある。それでも、免罪符にはとてもならない。

 貴ノ岩は10月、元日馬富士に対して起こした損害賠償請求訴訟を取り下げている。理由に挙げたのは母国モンゴルでの激しいバッシング。暴行問題を起こしてモンゴル国民の反感をあおってしまったことも決断の背景にあるとみられる。

 一方、暴力撲滅を目指す日本相撲協会も断固とした姿勢を示す必要があった。断ち切れない暴力の連鎖に自浄作用への期待感が急速にしぼむ中、世間が“生ぬるい”と受け止める形で問題を収束させることはできなかっただろう。

 相撲界で体罰に伴う生活指導は日常茶飯事だった。しかし、貴ノ岩の引退によって、「拳や平手で顔を4、5発殴る」という行為は力士人生の終わりを意味することになった。意図した形ではなくても、力士を含めた全協会員に対して暴力根絶に向けた強烈なメッセージを発することとなった。(奥山次郎)

最終更新:12/7(金) 18:20
産経新聞

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