ここから本文です

アナ雪『Let It Go』は本当に“ありのまま”? 使役動詞letの意味とは

2018/12/7(金) 13:43配信

リクナビNEXTジャーナル

『頑張らない英語』シリーズ(あさ出版)や『TOEIC最強の根本対策』シリーズ(実務教育出版)など数々の英語学習に関する著書を出されている西澤ロイさん。英語の“お医者さん”として、英語学習の改善指導なども行っている西澤さんに「正しい英語学習の方法」についてお話しいただくこの。第19回目の今回も、「海外アニメ映画に学ぶ英語フレーズ」です。今回は社会現象にもなった映画『アナと雪の女王』の主題歌『Let It Go』を題材にしたいと思います。
プロフィール
西澤ロイ(にしざわ・ろい) イングリッシュ・ドクター
英語の“お医者さん”として、英語に対する誤った思い込みや英語嫌いを治療し、心理面のケアや、学習体質の改善指導を行なっている。英語が上達しない原因である「英語病」を治療する専門家。ベストセラーとなっているや他、著書多数。さらに、ラジオで4本のレギュラーがオンエア中。特に、木8の番組「めざせ!スキ度UP」が好評を博している。
映画「アナと雪の女王」(原題:Frozen)では、エルサ役のイディナ・メンゼルさんが歌った主題歌『Let It Go』が大人気になりましたね。ただし、もっと世代が上の人には「レリゴー」ではなく「レリビー」、つまりビートルズの『Let It Be』の方が馴染みがあるかもしれません。
「let it go」は、日本語版では「ありのまま」と訳されています。「let it be」は「あるがまま(に)」と訳されたりします。
ここで1つ大事な質問をしたいと思います。あなたはなぜ「let it go」が「ありのまま」に、「let it be」が「あるがまま」になるか分かりますか?
ここで答えがNOだという方は、英語をよく分からないままに暗記をしてしまうクセがあるかもしれませんのでご注意ください。

使役動詞letは「させる」?

「let it go」や「let it be」を理解する上で、一番のポイントとなるのは使役動詞と言われるletです。この意味を、ただ「させる」という日本語に訳して覚えてしまってはいないでしょうか。
letの使い方としては、「let+名詞+動詞(の原形)」という形を取るのが基本です。「let it go」「let it be」もそうですし、他にも例えば
let him decide(彼に決めさせる)
let my hair grow(髪を伸ばす)
などのように使います。
なお、日本語訳をつけましたが、それに振り回されることなく、ぜひ自力で意味を感じてください。letをただ「させる」だと思ってはいけません。「好きなようにさせる」「やりたいように許可する」という意味合いでの「させる」なのです。
「let him decide」であれば、彼が自分自身で決めたいと思っている/決めようとしている状況がまずあります。その上で「希望通りにさせる」ことがletなのです。
また、「髪の毛」は自然と伸びていくもの。つまり、そのまま「伸びたいようにさせる」のが「let my hair grow」です。
何か対比するものがあると分かりやすいですので、同じく使役動詞のmakeと比べてみましょう。以下のように言った場合には、一体どのような意味になるでしょうか?
make him decide
make my hair grow
makeの根底には「作る」「(なかったものを)生み出す」という意味合いがあります。ですから、「make+名詞+動詞(の原形)」という形で使役動詞として使った場合には、「無理やりさせる」という「強制」のニュアンスが生まれやすいのです。そこから「make him decide」は、彼が決めようとしない/決めたくないという状況がある時に、「強制的に決めさせる」ことを表します。
また、「make my hair grow」の意味が分かりますか?
髪の毛は基本的に、自然と伸びるものですから、それを強引に伸ばすとなると、何らかの薬を使うのでしょうか。もしくは、ファンタジー的な世界で魔法を使うような場面かもしれませんね。

1/3ページ

あなたにおすすめの記事