ここから本文です

【平成家族】ダイエットから「食べられなくなった」娘、向き合い続けた家族 「かき氷をまた、食べられるなんて」

12/7(金) 14:00配信

朝日新聞デジタル

 「おいしかった」「楽しかった」。こんな食事の思い出を持つ人がいる一方、「食べるのが怖い」と恐怖心を消せない人たちがいます。体重や体形を気にして、食べ物が食べられなくなったり、逆に食べ続けて吐いたり下剤をのんだりしてしまう「摂食障害」。心理的な面が影響するとされるこの病気と向き合っていくうえで、とても大きい存在が、家族です。(朝日新聞記者・水野梓)

【リスト】自分に自信がないと、摂食障害? 他人の評価・人間関係の他にも意外なチェックポイント

減った体重「維持しなきゃ」増える自分のルール

 北関東に住み、短期大学に通う20代の女性は、高校3年の5月ごろ、うつ病になりました。「勉強も部活も全部頑張らないと」と自分を追い詰めたのがきっかけだったようです。その後、食欲が落ち、気づけば普通に食べられなくなりました。

 友人はスタイルがよく、「かわいいね」「細いね」と言われるのに、自分は言われない。太っていると直接言われたことはありませんが、「『自分は太っている』とすり込まれ、コンプレックスだった」といいます。

 体重が減ると今度は「それを維持しなきゃ」と食事と体重のことが頭から離れなくなりました。食べ物を口にすると脂肪に変わり、ぶくぶく太っていく――。そんなイメージにとらわれました。

 学校に行かなくなり、たんぱく質は1日80グラムまで、午後7時までに食べ終える、野菜は100グラム、夜に糖質はとらない……。どんどん食事について自分のルールが増えました。大好きだった母の手料理も「どのぐらい油を使っているのか分からない」と怖くなりました。160センチで体重は十数キロ減って40キロ台になりました。

心の支えは母親

 メンタルクリニックで摂食障害とわかりましたが、通ってもなかなか調子が上向かず、その冬、母に連れられて摂食障害の専門治療を受けられる病院に行きました。1カ月半ほど入院。病院食でようやく白米を口にしましたが、「食べてしまった」という罪悪感に襲われました。体重が少し戻り、退院した後も、食べることは怖いままでした。

 「食べなさい」と言わずに寄り添ってくれる母親は心の支えでした。一方、父親とは中学生の頃からぎくしゃくしていました。

 勉強を頑張っていた高校時代、テストで90点をとっても「次も頑張れ」と言うだけでほめられた記憶はありません。父に認められていないと感じました。会話はほとんどなかったといいます。

1/3ページ

あなたにおすすめの記事