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さく裂!「甲斐キャノン」=甲斐拓也、育成入団から日本シリーズMVPへの道

12/7(金) 16:01配信

時事通信

肩の強さでスカウトの目に

 2018年のプロ野球日本シリーズで大きな話題になった「甲斐キャノン」。広島の走者が試みた盗塁を、ソフトバンクの甲斐拓也捕手(26)が面白いように次々とアウトにした。6試合で計6回阻止。1度も盗塁を許さず、シーズンでセ・リーグトップの95盗塁をマークした広島の足を完全に封じ込め、最高殊勲選手(MVP)に選ばれた。

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 捕球すると、素早い動作で矢のような送球を放つ。その強肩が大砲や機関砲を意味する「キャノン」にたとえられた。本人は「勝つためにやっているので、刺しても点を取られては意味がない」と自慢の肩を誇らしげにすることはない。それでも工藤公康監督は「相手走者が『いいスタートを切れたのに、なぜ?』という顔をしている。だんだんスタートを切りづらくなっているのでは」と目を細めた。育成入団から8年目。プロ野球頂上決戦でMVPを獲得するほどの選手に成長し、その活躍ぶりは米大リーグの公式サイトでも紹介された。

◇肩がスカウトの目に
 大分・楊志館高から育成ドラフト6位で11年にソフトバンク入団。身長170センチ足らずと小柄ながら、肩はめっぽう強かった。ある編成担当者は「普通なら獲得しない選手だが、とにかく肩がずば抜けていたので、育成で指名することになった」と明かす。

 地道に努力を続けて13年オフに支配下契約を勝ち取り、「130」だった背番号は「62」になった。16年までの3年間は計15試合の出場にとどまったが、守備力を買われて17年に1軍に定着。千賀滉大投手、東浜巨投手、石川柊太投手らが先発する試合にマスクをかぶるようになった。課題の打撃は「死球でも、出塁できればいい」と割り切った。バットを短く持ってホームベースぎりぎりに立つなど、しぶとくチームに貢献。103試合に出場し、育成選手として初めてベストナインにも選ばれた。

 18年は37歳の鶴岡慎也捕手が日本ハムに移籍し、甲斐と併用されていたベテランの高谷裕亮捕手も2月のキャンプ中に右肘を手術した。正捕手の立場となった甲斐は、自己最多の133試合に出場。盗塁阻止率は12球団トップの4割4分7厘をマーク。17年には主に高谷が受けていたリック・バンデンハーク投手、中田賢一投手らも巧みにリードし、投手陣を引っ張った。守備が特に優れた選手に贈られるゴールデングラブ賞を2年連続で受賞した。

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最終更新:12/7(金) 16:01
時事通信

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