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ホンダ NSX 2019年モデル 試乗│ニッポンのスーパーカーが小改良で実施した、小さくない変化点とは

2018/12/7(金) 10:35配信

オートックワン

キャラの変化で気付く、ホンダからの無言の意思表示

ひと転がしした瞬間から、2019年モデルにはかつてと違うテイストが盛り込まれているとわかる。低速域からでもその乗り心地が、シャッキリ鮮明なものとなっているのだ。
NSX伝統のアルミシャシーはそのままながら、足回り系は全てに渡って手直しが入った。具体的には前後のスタビライザー(26/19%)、リアコントロールアームブッシュ(21%)。さらにリアハブの剛性をも6%向上させている。

また2016年モデルではコンチネンタル「スポーツコンタクト5」だったタイヤが、最新の「スポーツコンタクト6」をベースとした専用タイヤへと変更された。
ところで私は2016年モデルのしっとりとした、磁性流体ダンパーの制御が好きだった。これぞ「普段から使えるスーパースポーツ」を体現する上で、車重が増えるエアサス以外での最適解となる。
もちろん2019年モデルもこの磁性流体ダンパーを使っているが、足回り剛性が引き上げられたことによってか、減衰力もこれに合わせて引き上げられている。だからその乗り味からは例のまったり感がなくなり、より若々しさが増した。乗り心地だって、それほど悪くなってはいない。スポーツカーらしさという点では、こちらの方が好みだという意見もあるはずだ。
だからここは好みの問題だろう、と片付けることは簡単。だけれど、私の意見は少し違う。このまるで正反対とも取れるキャラクターへの変更は、ホンダの無言の意思表示なのだと思う。

巨体がスルスルと走り出す様には、やはり未来感がある

そんな2019年モデルを走らせると、なるほどとても気持ちが良い。
IDS(インテグレーテッド・ダイナミック・システム。いわゆる走行制御モード)は「クワイエット」モードからスタート。EVやPHEVが当たり前となりつつある現在において、エンジン始動時にV6サウンドが“ヴァン!”と雄叫びを上げるのは時代遅れだが、いざDボタンを押してアクセルを踏み込めばこの巨体がスルスルと走り出す様には、やはり未来感がある。できることなら次の改良では走り出してからのエンジン始動を行って欲しい。また始動時はエンジン音ではなく、PCのような起動音とフラッシャーで演出をして欲しい。
NSXは72個ものバッテリーをフロアに搭載するけれど、容量自体はそれほど大きくない。それゆえクワイエットモードでもV6ツインターボは時折目を覚まし、1800kgになる車重に勢いを付けるとまたいつの間にかコースティングに入る。

同じEVスポーツであるBMW i8と比べるとエンジン始動時の音量や音圧、そしてバイブレーションは目立ち、走行時におけるバッテリーの減り方もうんと早い。もっともバッテリーは容量が少ないため「Sport」モード以上に入れればすぐに充電できるのだが、クワイエットモードにおいても、何らかの方法で充電できるとさらにスマートだ。
たとえばせっかく付いているパドルはエンジン回転やトランスミッションの制御ではなく、回生ブレーキモードにスイッチしてもよい。ホンダ自身はこれを純粋なハイブリッドではなく、フィットのように「スポーツハイブリッド」として位置づけているとは思う。バッテリー技術の向上で、これも時が経つと同時に改善されるとは思うけれど。

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最終更新:2018/12/7(金) 10:35
オートックワン

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