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ホンダ NSX 2019年モデル 試乗│ニッポンのスーパーカーが小改良で実施した、小さくない変化点とは

2018/12/7(金) 10:35配信

オートックワン

ホンダらしさ”全開! 世界一のV6にアドレナリン沸騰

そんなNSXが水を得るのは、当然ながらエンジンを回し始めてからだ。この3.5リッターの排気量を持つV6ツインターボは、本当にホンダらしいエンジンである。
そこには欧州勢のような、常軌を逸した暴力性や芸術性はない。しかし臨戦態勢に入れば立体的に吸気音を立ち上げ、トップエンドの7000回転までバイクのように吹け上がるそのまじめさに“ホンダらしさ”を感じることができ、アドレナリンが湧き上がる。過剰な脂はのっていないが、冷徹なキレ味に納得できる。彼らがシビック タイプRの4発と並んで「世界一のV6エンジン」と言い切る意気込みが伝わって来る。
そしてここに見えざる力としてモーターアシストが加わり、ターボラグを解消する。その加速は本当に自然でリニアである。
喜ぶべきはこの動力性能に対し、シャシーがナチュラルに対応するようになったことだ。フロントのゲインはさほど上がった気はしないが、リアセクションの剛性アップは効果的で、ターンインからターンアウトまでの一連の動きに、腰砕け感がない。アルミボディ特有の反発感が出ない絶妙なラインまで剛性が上げられていることにも感心する。

NSX 2019年モデルはSH-AWDの制御思想が大きく変化していた

そして2016年モデルでは極めて人工的にノーズをねじ込んでいたSH-AWDは、完璧な黒子役となった。ホンダ曰く「シャシー性能の向上によって制御が早まり、挙動が自然になった」と言うが、それは半分正しく、半分違うと思う。
SH-AWDはフロントモーターのイン側をコーナー進入時に逆ベクタリングすることで、異次元のターンインを可能とする。しかしオーバーステアが出たときにカウンターを当てると、フロントモーターがそちらにベクタリングしてしまう。簡単に言えば、カウンターを切った方向にノーズをねじ込み直すから、放っておくと吹っ飛んでしまうのだ。だからドライバーはカウンターを切らず、アクセルで車両をバランスさせるという、非常に高度なテクニックが求められた。
今回のマイナーチェンジは、この制御がどう変更されているかを見ることにあると私は思っていた。だから試乗は2016年モデルと同じ鈴鹿、もしくはそれに相応しい場所であるべきだと思っていたのだが……。それは次回の試乗に期待しよう。
ともかくオープンロードレベルでも、SH-AWDの制御はマイルドになった。むしろ通常のモードかSport+くらいまでは、2016年モデルのように恐ろしいほどよく曲がるパラメーターを使ってもよかったのではないか? とさえ思う。日常域は電子制御で良く曲がり、スポーツ領域ではシャシーの基本性能で良く曲がる、といった具合に。

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最終更新:2018/12/7(金) 10:35
オートックワン

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