ここから本文です

米軍が注目! 装備を軽量化する強くて快適な素材とは

12/7(金) 20:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

クモの糸は、ケブラーよりも強く、ナイロンよりも柔らかい。アメリカ空軍の研究者は、戦場での兵士の装備を軽量化し、熱を逃がす新たな素材を作るキーになると考えている。

【関連画像】米軍が注目! 装備を軽量化する強くて快適な素材とは

空軍研究所(Air Force Research Lab)とパデュー大学の科学者は、気温調整能力を探るために天然シルクの研究をしている。アメリカ空軍のプレスリリースによると、シルクには吸収した熱よりも多くの熱を放出する性質があり、華氏10~15度(摂氏約6~8度)熱を下げることができる。

研究者はこの性質を人工クモの糸のような繊維に取り入れようとしている。人工クモの糸は、防弾チョッキに使用されているケブラーよりも強く、ナイロンよりも柔らかい。

防弾チョッキをより強化し、同時に快適性を向上させることは、機能性材料部の研究者オーガスチン・アーバス(Augustine Urbas)氏が率いるチームが改良を進めている数多くの項目の1つ。

「天然シルクを理解することは、画期的な機能を備えた多機能繊維の開発につながる。人工クモの糸は、他の多くの合成繊維が持つ機械的特性を上回り、鉄と同様の強さを持つ」とアーバス氏はリリースに記した。

「こうした素材は将来、快適で強力な防弾チョッキやパラシュートの素材となる得る」

柔らかく、涼しい防弾チョッキが実現できるだけでなく、より涼しく快適なテントや軽いパラシュートも実現できる。

リリースによると、人工クモの糸のコストは当初、ケブラーの2倍になるとみられているが、軽く、強く、柔らかく、他の用途にも使える可能性があることは大きな魅力だ。

アメリカ空軍の研究者はまた、フィブロインも研究している。カイコが作るタンパク質で、さまざまな状況下で光を反射、吸収、集中、拡散できる。

天然素材や合成素材を使って防弾チョッキを改良しようとする軍の取り組みは、これが初めてではない。

2年前、軍は遺伝子操作されたカイコを使い、ドラゴン・シルクと呼ばれる強く、柔らかい繊維の研究をしていると述べた。

プロジェクト・マネージャーを務めたチーフ・サイエンティストのジェームス・チェン(James Zheng)氏はその時、軍は常に新しい素材の研究・開発を行っており、「自然界は数多くの素晴らしい素材を生み出し、活用している」とアーミー・タイムズに語った。

2016年末、当時、空軍士官学校の候補生だったヘイリー・ウィアー(Hayley Weir)氏と指導教官のライアン・バーク (Ryan Burke)教授は、既存の防弾チョッキの強化に使用できる可能性のある粘着物の実験に成功した。

ウィアー氏は物質の製造方法を公開していないが、プラスチック製の調理器具とKitchenAidのミキサーを使い、グレイビーソースのような粘着物をホイップして、真空パックに詰め、0.25インチ(約6ミリ)の厚さに広げた。

この物質は通常のケブラーよりも軽くて柔らかい。実弾実験では、粘着物が衝撃を吸収し、弾丸を止めた。

「本格派のアンダーアーマーのようなもの」とウィアー氏はColorado Springs Gazetteに語った。

[原文:Military researchers think spider silk may keep US troops lighter and cooler in combat]

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

最終更新:12/7(金) 20:11
BUSINESS INSIDER JAPAN

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ