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「根本的な解決にならない」核なき世界の実現は? “被爆者頼み”廃絶運動のカタチは

12/7(金) 20:17配信

AbemaTIMES

 「私は今でも、73年経っても、子どもながら目撃したあの惨状。何十万もの人たちが、もう無差別に子ども大人も、みんな一度に焼かれ、つぶされてしまう。そういう人間の死を目撃している」

 昨年、ノーベル平和賞を受賞した国際NGO「ICAN」とともに活動し授賞式でも演説した、カナダ在住の被爆体験の語り部・サーロー節子さん(86)が6日、核廃絶を訴えるために来日し、会見を開いた。13歳の時に広島で被爆したサーローさんは、73年経った今も体験を語り続けている。すべては、核なき世界にするため。

 去年12月のノルウェー・オスロでのインタビューで、小川彩佳アナウンサーの「(核による抑止は)必要悪だっていう考え方ですよね」という質問に、「私に言わせれば(核は)絶対悪だと思う。大量の無数の人間を一瞬にして焼き殺してしまう」と答えていたサーローさん。それから1年、今も彼女は核廃絶のために行動を続けている。

 「日本が参加しなかったのは残念」とサーローさんが話すのは、去年7月に採択された核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約。サーローさんも採択に尽力したが、アメリカなどの核保有国は参加せず、交渉の席には日本の姿もなかった。同年6月、サーローさんは「悲しい。自分の国から捨てられてしまっているという気持ちを考えてほしい。アメリカの気分を損ねないためにいろいろな口実を持っているんだろう」と話していた。

 アメリカの“核の傘”に守られているという現状。日本は「核保有国が参加しない条約は現実的ではない」との見解を示した。

 サーローさんは6日、当時外務大臣だった自民党の岸田政調会長との面会でも、核兵器禁止条約への批准を求めたという。岸田氏はその後の会見で「核兵器を持っているのは核保有国なので、その協力・行動なくして、何も現実は変わらない。こういった厳しい現実も存在する」とコメント。一方のサーローさんは、「(岸田さんは)あなたたちの言うことには耳を貸さないという態度ではなかったと思う。言い足りないことがあれば、また後日手紙でも書いて送ればいい、そういう風な安堵感があった。非常に親切なあたたかい受け入れだったと思う」と話した。

 サーローさんといえば、連携して行動しているNPO「核兵器廃絶国際キャンペーン」のICANが去年、ノーベル平和賞を受賞。被爆者として初めてスピーチした。「被爆者が経験したことを人類は二度と経験してはいけない」。唯一の被爆国である日本が訴える核なき世界。いま、核兵器廃絶を巡る世界の動きはどうなっているのか。

 6月の米朝首脳会談以降、北朝鮮の核の脅威は表面上落ち着いているように見える。しかし、トランプ大統領はアメリカが旧ソ連と結んだINF(中距離核戦力全廃条約)にロシアが違反していると主張し、脱退する意向を示した。一方、ロシアは条約を守ってきたと反発し、プーチン大統領は「条約の崩壊には反対だが、もしそうなれば対抗措置を取る」と、中距離核戦力の配備を示唆した。

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最終更新:12/7(金) 20:17
AbemaTIMES

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