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過去の「成就しなかった恋愛」にとらわれ続けて…

12/7(金) 21:15配信

All About

◆「思い出」は好きですか?

「思い出」という言葉が個人的には好きではない。思い出にすがりつくより、いつも前に向かって進んでいたいという思いがあるからだ。もちろん、思い出を大事にする人を非難するつもりはまったくないし、それができれば幸せなのかもしれないとも思う。
 

◆20年以上前、職場の先輩に恋をして……

チエコさん(47歳)は、今も20年以上前の「恋心」を心の中にひっそりと温めている。逆に言えば、それがネックとなって、新たな恋へ歩み出せずにもいる。

「短大を出て勤めた会社の2年上の先輩だったんです。ずっと憧れていて、入社4年目にようやく彼と同じ部署になった。そこからは天国でした。仕事にも前のめりになって」

彼も、そして上司も彼女を認めてくれ、どんどん大きな仕事に参加させてくれるようになっていった。それと同時に彼への気持ちも大きくなっていく。

「だけど告白なんかできないし、せめて私の気持ちをわかってほしくて、出張に行くと他の人には内緒で彼にだけ別のお土産を買ってきたりしたんですが、彼はわかってくれてなかった。というか、私を"いい仕事仲間"だと思っていたようです」

27歳を目前にしたころだった。彼と彼女と上司と、そしてチームを組んでいたもう1人で小さな忘年会をすることになった。ときどきそういう飲み会はあったのだが、なぜかそのときは上司が風邪でダウン、もう1人は突然、親が倒れたということで、2人きりの飲み会となった。

「当時はまだ携帯電話もなくて、私は外回りからそのまま飲み会会場に行ったんです。そうしたら彼が1人でいて。『中止にしようかと思ったけど、4人での飲み会はまた改めてやろう。今日は2人だけど、いいよな』って。いいに決まってるじゃないですか。そんなチャンス、めったにないんだから」

チエコさんは浮き足立った。今日中に気持ちをわかってもらいたい。自分の恋心をなんとか受け止めてほしいとその時間に賭ける思いだった。

「でも緊張して飲み過ぎて結局、何も言い出せないまま酔っ払っただけ。帰りに彼が送ってくれて自宅前で『明日の朝はちゃんと起きろよ』と、頭を撫でてくれたことだけは覚えてる。あれが唯一、彼とのスキンシップだった……」

彼が結婚すると聞いたのは、その数カ月後だった。相手は学生時代からつきあっていた女性だと知り、彼女は1人で泣いた。そして彼女はとんでもないことをしてしまうのだ。

「結婚式では、職場でいちばん親しい後輩だから、スピーチというほどのものじゃなくていい、一言頼むよと言われて。同じ部署の8人くらいが一言ずつ話すというものだったんです。みんなけっこう冗談ばかり言って、場も盛り上がっていたんですが、私、結婚した彼の顔を見たら、『あの夜のことを忘れないでください』と言って泣いちゃった」

場は一気にしんとなった。とっさに次にマイクを握った同僚が、「彼女はいつもこうやってドラマティックな冗談を言うタイプなんですよ。勝手に先輩に憧れてたのは私も知ってますが」とフォローしてくれ、誰かが笑い出してくれたのでなんとか場は持ち直した。
 

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最終更新:12/7(金) 21:15
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