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補修作業ができない…鉄道施設の老朽化問題は深刻

12/7(金) 20:45配信

All About

◆東急田園都市線で2度の停電…

以前、東急田園都市線で長時間にわたって停電が発生し、通勤客が足止めを食らうなど大混乱を引き起こした。その前にも、田園都市線では電気系統の事故が発生していて、その都度混乱が生じ、利用者はうんざりしている。
 
事故原因の詳細は明らかではないけれど、原因の一つとして言われているのが「施設の老朽化」である。田園都市線は、比較的新しい路線で、私にとっては、ついこの間開業したような錯覚を覚えてしまうのだが、渋谷~二子玉川間の地下区間(開通当時は新玉川線と呼んでいた)は1977年に開通したので、もう40年になるのだ。

その間、沿線人口は爆発的に増え、電車の長編成化、本数の増加など、文字通り休む暇もないくらい密度の濃い輸送を続けてきたのであれば、老朽化と言われると納得してしまう。
 

◆「技術力の低下」もあちらこちらで耳する

その一方で、技術力の低下もよく言われることだ。鉄道を維持して行くためには、車両や施設の絶えざるメンテナンスが不可欠であるけれど、それらは、いくら機械化が進んでも、最後は人の手による作業が欠かせない。

かつては、神業のような名人芸的な技で修理などをこなした現場の技術者が多数いたものだが、作業が楽になったこともあるのか、複雑な技をこなせる人間が減り、あるいは引退とともに、そうした技術力がしっかりと受け継がれていないとの声をあちらこちらで耳にする。
 
これは、鉄道だけに限らないのであるけれど、最後は「人の力」であるということを組織が軽視すると、信じられないような事故が起こるのは避けられない。こうした2点が、原因の一つではないかと指摘されるのも、決して的外れとは言えないであろう。
 

◆施設の老朽化で、将来的な維持が困難な地域も

富山県にある黒部峡谷鉄道でも運賃を値上げしたのだ。トロッコ列車の運行で知られる人気の観光鉄道であるが、利用者数が減っているのに加えて、施設が老朽化しているため、その補修費を捻出するためのやむを得ない値上げであるとして理解を求めている。
 
このように、都市部の鉄道のみならず、全国各地で鉄道施設の老朽化が進んでいる。JR北海道では、路線の廃止が相次いでいるが、江差線や留萌本線の末端部の廃止は、絶望的な利用者数の減少に加えて、施設の老朽化がすすみ、早急に補修作業をしなければならないのに、その費用が莫大なので将来的な維持が困難であるというのも理由のひとつであった。
 

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最終更新:12/7(金) 20:45
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