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日本の洋楽シーンをルーツ志向にシフトさせたニッティ・グリッティ・ダート・バンドの『アンクル・チャーリーと愛犬テディ』

12/7(金) 18:02配信

OKMusic

今、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドのことを知っている人がどれだけいるのかは分からないが、彼らの音楽が70年代前半の日本のポピュラー音楽シーンに与えた影響はすごかった。アメリカのポピュラー音楽のグループとして、77年に初めてロシア(当時はソビエト)でコンサートを開催するなど、アメリカでは国民的なスターである。1966年にグループが結成されてから何度もメンバーチェンジは行なわれているが、現在まで解散はせず、50年以上の長きにわたり活動している。今回は彼らが1970年にリリースした5作目となる傑作『アンクル・チャーリーと愛犬テディ(原題:Uncle Charlie and His Dog Teddy)』を取り上げる。

素朴なジーンズミュージック

僕が彼らのことを知ったのは中学2年生の時。それまではブリティッシュ系のハードロックやプログレばかり聴いていたのだが、ある時ラジオでオンエアされたのがニッティ・グリッティ・ダート・バンドの「ミスター・ボージャングル」であった。もちろん、最初はグループ名もタイトルも覚えられなかったが、この曲自体はすぐに好きになった。それまでロックでは馴染みがなかったフラットマンドリンやアコーディオンなどを使っていたせいか、演奏自体が新鮮だったし、何より叙情的な美しいメロディーに引き込まれた。

この「ミスター・ボージャングル」はニューヨークのフォークシーンで人気のあったジェリー・ジェフ・ウォーカーの代表曲で、ジャズ、フォーク、ロック、ソウル、ポップスなどまで幅広いジャンルのシンガーやグループにカバーされているアメリカを代表する名曲のひとつ。中学2年当時、そのことを知りアメリカの音楽にも興味が沸いてきた。

70年代前半、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドが演奏するような土臭い音楽が日本でも流行っていて、山本コウタローとソルティシュガーのヒット曲「走れコウタロー」をはじめ、「気楽に行こう」(鈴木ヒロミツ)、「家を作るなら」(加藤和彦)、「ケンとメリー ~愛と風のように~」(BUZZ)など、コマーシャルソングでも素朴なサウンドが流れていた。特に「家を作るなら」は子供が聴いても、明らかに「ミスター・ボージャングル」をネタに作られていることが分かったぐらいである。これらの素朴でフォーキーなテイストを持つ音楽をフォークロックやカントリーロックと呼ぶ。当時ジーンズミュージックという呼び方をしているレコード会社もあったが、あまり定着はしなかった。

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最終更新:12/7(金) 18:02
OKMusic

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