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元巨人・クロマティ氏、原G指揮官復帰に驚き! 「桑田氏ならいい監督になる」

12/8(土) 16:56配信

夕刊フジ

 【元巨人 クロマティが斬る】

 元巨人の最強助っ人、ウォーレン・クロマティ氏(65)が、夕刊フジに大型コラム『サクラと星条旗』を連載中の作家、ロバート・ホワイティング氏に思いの丈を語り尽くす。第1回は古巣の巨人について。自身が在籍した1980年代に比べ、はるかにレベルが落ちていると憂い、オファーがあればコーチとして喜んで復帰する構えだが、盟友の原辰徳氏(60)の4年ぶり3度目の監督就任には仰天した。

 巨人の新監督となった原氏とはいまでも時折、夕食を共にする。

 彼が今年6月に新潟で開いた野球教室には、私も参加させてもらった。ここで昔のチームメートに会った。吉村禎章氏、宮本和知氏、駒田徳広氏、槙原寛己氏。皆、元気そうだった。私は昔の巨人のユニホームを着たが、イベントが終わると、巨人はユニホームを返してほしいといってきた。

 2019年は、その原氏が巨人の指揮を執ることになったが、私自身は巨人が別の人選をすると期待していた。たとえば江川卓氏、桑田真澄氏だ。特に桑田氏は頭脳明晰。野球をよく知っており、いい監督になると信じている。早稲田大学大学院で修士号をとるなど聡明さがきわだつが、巨人のフロント陣には生意気だと思われたようだ。

 巨人がなぜ原氏に白羽の矢を立てたのか、原氏がなぜそれを受けたのか、私には分からない。原氏はもう十分働いた。毎日ゴルフの隠居生活を満喫しているとばかり思っていた。

 コーチング・スタッフの人選にも驚かされた。打撃総合コーチに吉村氏というのは素晴らしい。彼は一流だ。しかし一軍投手総合コーチに宮本氏とは…。彼はタレントとしてテレビに出演していただけ、とばかり思っていた。水野雄仁氏の投手コーチも驚きだった。

 誰がなっても巨人の監督は難しい。いざ就任したら、チーム力のアップだけでなく、常にセ・リーグ優勝、日本一を求められる。ここ数年、巨人はそこから遠ざかっている。この2、3年、私は東京に住み、巨人戦をテレビで観てきたが、途中でチャンネルを変えざるをえなかった。彼らがプレーする姿を見るのはとても辛かった。高橋由伸監督のダッグアウトでの姿も痛々しかった。いつもどこか別の場所に居たいと思っているようにみえた。

 だが、一連の人事を見る限り、原政権のコーチ陣は合格点だろう。皆信頼の置ける人物で原監督に忠誠を誓っている。原氏自身、自分のすべきことをきちんと理解しているようだ。巨人は私をコーチに選ばなかった。それはそれでOKだ。私が書いた「さらばサムライ野球」(1991年)が辛口だったことから、いまだに私に不信感を抱いているフロントがいる。それが現実だ。だが、もし私が巨人に参画できたなら、もっといい結果が生まれると信じている。

 それはそれとして、私が所属した1980年代の巨人は、今よりはるかにいいチームだった。吉村、中畑清氏、篠塚利夫氏の強打にくわえ、バントの名人の川相昌弘氏がいた。内外野の守備は堅く、先発は桑田氏、斎藤雅樹氏、槙原氏、江川氏。救援投手も、角三男氏、香田勲男氏。ピッチングスタッフはメジャー級だった。

 すべての選手が何をどうすべきか熟知していて当時の指揮官、王、藤田監督の仕事を楽にした。

 藤田監督時代はすべてのポジションに日本球界最高の選手がいた。

 現在の巨人にもいい選手はいる。坂本勇人(29)は私が日本で見た最高の遊撃手だ。アメリカ流のプレーができる遊撃手といっていい。キャプテンとして重圧を受け、故障もしたが、彼の価値に変わりはない。一塁手の岡本和真(22)も印象的。年間30-40本塁打しそうだ。外野では長野久義が外野手として必要なものをすべて備えている。だが、長野以外、いい外野手がいないのは本当に心配だった。

 そんな中、巨人が広島の丸佳浩(29)を獲得した。私はここ数年広島を高く評価してきたので、MVPの丸を手放したことに非常に驚いた。日本一になるにはセンターラインである捕手、遊撃手、二塁手、中堅手がしっかりしていることが大前提になる。丸の加入で巨人は外野守備を100%改良できる。二塁手が誰になるかはまだ未定だが、丸がセンターに入ることで坂本の負担が大幅に軽減される。丸は3番を打つことになるだろう。チームのベストの打者は3番を任されることが多い。私も巨人時代何度か3番を打った。丸の加入で原巨人はすっかり安定感を増した。いい年にできるかもしれない。さらに丸の加入で坂本自身がMVPを取りたいと意欲を増す可能性もある。

 もっとも、巨人の最大の弱点は投手陣だ。ただひとり優れているのは菅野智之(29)。15勝8敗、防御率2・14。200奪三振。8完封。メジャーでもスターになれるが、その他にブレークアウトしそうな若手が見当たらなかった。ここをどう解消するかが、2019年原巨人の最大の課題になる。

 私は65歳になったが、今のプロ野球のレベルなら、打率・350、外野手としてダイヤモンドグラブ賞を獲得できると思っている(ハッ、ハッ、ハッ)。明日(7日)は日本が圧勝した日米野球を分析してみたい。(構成=ロバート・ホワイティング)

 ■ウォーレン・クロマティ(Warren Cromartie) 1953年9月29日生まれ。米フロリダ州マイアミビーチ出身。大リーグのモントリオール・エクスポズから83年オフに巨人入団。89年に打率・378で首位打者とMVPに輝き、7年間在籍した巨人で球団史上最強の助っ人といわれる。外野席のファンに「バンザイ」を促すパフォーマンスでも有名。左投左打。現在はモントリオールにMLBのチームを呼び戻す運動のリーダー。2年前から東京在住。

最終更新:12/8(土) 16:56
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