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隠れた人気「和光市駅」23区内より優位の逆転現象

12/8(土) 9:30配信

毎日新聞

 マンション立地で注目の東武東上線・和光市駅。隣駅である東京都板橋区の成増駅を上回る人気で、かつての「23区優位」には逆転現象も出ています。その理由を住宅ジャーナリストの櫻井幸雄さんが解説します。【毎日新聞経済プレミア】

 「和光市駅」といっても、ゆかりのない人にはどんな駅か想像もつかないだろう。東武東上線の始発駅・池袋駅から快速急行や快速、急行、準急で1~2駅12~14分ほどの駅で、埼玉県和光市に位置する。

 ◇20世紀は「23区内優位」

 都心寄りの隣駅が板橋区の成増駅。だから、和光市駅は都内から埼玉に入ってすぐの駅となる。こういうケースでは「都内の駅は人気があるが、埼玉県に入ると、とたんに人気が落ちる」ことになりがち。少なくとも20世紀は「23区内優位」だった。

 ところが、今は「23区内優位」とは言い切れなくなっている。東京23区内より外側エリアのほうが「注目度は高い」というケースが目立つようになったからだ。

 代表が、武蔵小杉駅。23区の外側で多摩川を越えた神奈川県川崎市なのだが、23区内と同等かそれ以上の人気と価格設定になっている。

 東武東上線の和光市駅も同様。近年、東京都板橋区の成増駅よりも、埼玉県の和光市駅のほうが「憧れの駅」になってしまった。

 ◇2~3本やり過ごせば「座って通勤」

 和光市駅が注目を集める最大の理由は「都心に向かう始発電車が利用しやすい」ことにある。もともと池袋駅まで近かったが、有楽町線と副都心線が乗り入れ、東上線の急行、快速急行の停車駅になり、「有楽町線・副都心線の始発駅」という大きな特徴を持つようになった。その使い勝手が良好なのだ。

 和光市駅における東京メトロ有楽町線・副都心線の始発電車はびっくりするくらい本数が多い。朝7時台を中心にした通勤時間帯はほぼ3分に1本程度の割合で始発電車が出る。有楽町線と副都心線で行き先が異なるため乗り分けは必要だが、それでも、朝の時間帯は「2~3本やり過ごせば、座って通勤」が可能となる。

 2~3本といっても、待ち時間は6分から10分。それで座れるなら、待つ価値は大きい。それで、板橋区の成増駅よりも和光市駅の近くに住みたい、という人が増えてしまったわけだ。

 和光市駅は、南口と北口でムードが大きく変わる。

 イトーヨーカドー店舗をはじめとした商業施設が多く、生活しやすいのは南口側。その南口側では2020年に駅直結の駅ビルができる計画もある。つまり、和光市駅南口側は、隠れた人気駅の注目スポットということになる。

 ◇都内の8駅も魅力的

 もっとも、東武東上線の狙い目駅は、和光市駅だけというわけではない。和光市駅が人気を高める反動で、隣の成増駅は23区内であるにもかかわらず新築マンション価格が割安になっている。

 さらに、成増~池袋間の8駅にも注目すべき特徴がある。快速急行、快速、急行、準急がすべて通過し、止まるのは各駅停車のみの駅なのだが、商店街が発達している大山駅や高級住宅地として開発されたときわ台駅など、魅力的な駅が含まれる。

 それら“鈍行駅”ではマンション価格が抑えられているし、各駅停車の電車は比較的空いている、という長所もある。

 始発電車の和光市駅か、お得感が大きい池袋寄りの駅か。東武東上線は、どの駅に住むかで、悩ましい。

最終更新:12/8(土) 9:30
毎日新聞

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