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紀平梨花“超絶”SP世界最高82・51点 ほぼノーミス!ザギトワ超えた首位発進

12/8(土) 6:00配信

デイリースポーツ

 「フィギュアスケート・GPファイナル」(6日、バンクーバー)

 女子ショートプログラム(SP)は、シニア1年目の紀平梨花(16)=関大KFSC=が冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど、ルール改正後の今季世界最高となる82・51点で首位発進。05年の浅田真央以来となるGPデビューシーズンのファイナル優勝へ最高の滑り出しを見せた。2連覇を目指す平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(16)=ロシア=が77・93点で2位につけ、坂本花織(18)=シスメックス=が70・23点で4位。宮原知子(関大)が67・52点で6位だった。フリーは8日(日本時間9日)に行われる。

【写真】情感たっぷりな演技を披露のザキトワ…紀平質問は「答えたくない」

 どよめきに包まれるアリーナ。その中、誰よりも驚きの表情で両手で口元をおおったのが、直前にほぼ完璧な演技を見せ両手を握った紀平だった。82・51点。五輪女王ザギトワが持っていた世界最高点を1・73点更新する超ハイスコアをたたき出し「いい点数がもらえて本当にうれしい」と話す笑顔が初々しい。「集中して完璧に滑ることだけ考えた。緊張することなくいい状態でできた」と充実の表情で振り返った。

 柔らかな「月の光」の音色に、力強くも軽やかなジャンプが調和した。演技冒頭、流れるようにトリプルアクセルを着氷。2・51点も出来栄え点を引き出し、今季初めてSPで大技を成功すると「やっとできた」と心の中で拳を握った。

 後半の3回転ルッツでも2・36点と再び驚異的な出来栄え点を獲得。技術点は2位ザギトワに5点以上上回り、男子と比べても2本の4回転を組み込んだこの日の宇野を上回る高得点だ。ルール改正前の昨季までさかのぼっても女子では世界最高と、まさに異次元の演技でフィギュア界の歴史に名を刻んだ。

 シニア1年目、16歳とは思えぬ対応力も武器だ。前戦GPフランス杯では、時差ぼけで足に力が入らない状態になりトリプルアクセルを失敗。ジュニア時代にも同じような感覚に陥ったことがあった。試合後、携帯電話に反省点をメモし、体の状態と演技を振り返るのを習慣にしてきた、その積み重ねが大舞台で生きた。同じ轍(てつ)を踏まぬように状態を自己分析し、対策として見いだしたのが昼寝。この日は試合開始4時間半前の16時半まで約1時間半の睡眠を取り、疲労回復に充てた。「体が全然違います」と紀平。効果はてきめんだった。

 直前の6分間練習で気がかりだった靴の緩さも両足にテープを巻いて固定。「自分の気になることはなくしてリンクに入ることができた」。細部まで環境を整える力も、抜群に秀でている。

 昨年はSP2位のザギトワが逆転優勝したが、それ以前は10年から16年まで7大会連続でSP首位の選手が優勝している。日本勢として唯一、05年のGPデビューシーズンにファイナル優勝を果たした浅田真央も、SP首位からの完全優勝だった。「まだフリーがあって、全然気が抜けない」と紀平。運命のフリーへ中1日。新時代到来の音はもう響き始めている。

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