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文化庁、「海賊版」の静止画ダウンロード規制へ 著作権法を改正方針

12/8(土) 19:13配信

毎日新聞

 文化庁は、海賊版と知りながら漫画や写真などの静止画をダウンロードすることを違法行為の対象とする方針を固めた。著作権法は著作権を侵害する動画と音楽のダウンロードは禁じているものの、静止画は対象外で、海賊版被害の拡大を防ぐ必要性が指摘されていた。来年の通常国会に同法改正案の提出を目指す。

 文化庁長官の諮問機関にあたる文化審議会著作権分科会の小委員会が意見集約した中間まとめ案に、ダウンロードを違法とする内容が盛り込まれた。文化庁は今月中の意見公募(パブリックコメント)を経て、改正案の詳細を検討する。

 小委員会では、海賊版サイトに利用者を誘導するリーチサイト「はるか夢の址(あと)」を通じて、漫画が不正にダウンロードされていたと報告があった。被害額は同サイトの運営者が摘発された昨年10月までの1年間で731億円に上ると推定され、海賊版被害は拡大しているという。出版業者の関係団体も、漫画以外に雑誌や写真集、文芸書にも被害が及んでいるとしている。

 静止画は動画や音楽に比べファイルのデータが小さいため、海賊版サイトだけでなく、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にも掲載されやすい。こうした実態を踏まえ、海賊版と知りながらダウンロードする行為が違法となる対象を、動画と音楽に加え静止画にも拡大することにした。違法とするのはダウンロードのみで、海賊版サイトにアクセスして閲覧する方式には適用しない。

 改正案には動画や音楽と同様、2年以下の懲役か200万円以下の罰金の罰則規定を盛り込むほか、損害賠償請求の対象になる。

 文化庁は海賊版対策を巡り、既にリーチサイトにリンク(URL)を張る行為を違法とする方針を決めており、この内容も改めて中間まとめ案に盛り込んだ。一方、政府の有識者会議は利用者の同意なく特定サイトへの接続を遮断する「ブロッキング」の法制化を検討していたが、委員間の意見の対立が解消できず、報告書の取りまとめを断念している。【伊澤拓也】

最終更新:12/8(土) 19:32
毎日新聞

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