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ノーベル賞、公立高が近道? =西高東低続く、本庶さんも

12/8(土) 11:35配信

時事通信

 【ストックホルム時事】本庶佑京都大特別教授が10日夕(日本時間11日未明)、ノーベル賞の授賞式に臨む。

 日本人が自然科学3賞を受賞するのは23人目だが、私立高校の出身は過去2人だけで地方の公立高が圧倒的に多い。西高東低の傾向もみられ、山口県立宇部高を卒業した本庶さんも続いた。識者は「東京には学者以外に魅力的な就職先が数多くあるからではないか」と話している。

 医学生理学、物理学、化学の自然科学3賞の受賞者が卒業した大学は、京大がトップ。本庶さんを含む7人で、東京大の5人を上回る。京大は「自由な学風」で知られ、選考に独創性を重視するノーベル賞と相性がいいようだ。文学賞と平和賞の計3人はいずれも東大を出ている。

 出身高校の都道府県別でも、京都が3人で最も多い。中部地方と西日本の13府県で17人を占め、全体の7割を超える。進学校を多く抱える東京は利根川進氏の都立日比谷高のみ。私立出身は同志社高(京都)の江崎玲於奈氏と灘高(兵庫)の野依良治氏だけで、地方の公立高出身が目立つ。

 東京の高校からノーベル賞受賞者が輩出されにくい背景について、京都女子大の橘木俊詔客員教授(75)は「都内の進学校では、学者になろうとする生徒が少ない。身近に官僚や一流企業など魅力的な職があるからではないか」と推測する。

 一方で、「地方には旧制中学以来の伝統校があり、学者は尊敬の対象だ。勉強ができる生徒は能力を生かそうと学者を目指す」という。

 本庶さんが育った宇部市は、かつて炭鉱で栄えた。宇部高の田中正浩教諭(51)は「いろんな人が集まった町で、多様な価値観がぶつかり、進取の気風がある」と話す。

 橘木さんは、今後の受賞は減ると予想し、「研究者を重視しない社会だ。ノーベル賞を取ったときだけ関心を寄せ、国立大への国からの交付金は毎年減っている」と訴える。「偏差値の高い子が医学部に集まり、研究者より医者を目指す」という風潮も気掛かりという。 

最終更新:12/8(土) 11:40
時事通信

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