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奇抜なストーリーの裏に人間ドラマが詰まった映画『ハード・コア』/週末エンタメ

12/8(土) 15:00配信

サンケイスポーツ

 年末に向けて数々の映画が公開される中、先月23日に封切られた「ハード・コア」が異彩を放っている。

 同作は1990年代に人気を集めた漫画「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を映像化。都会の片隅で細々と生きる右近(山田孝之、35)の前に謎の古びたロボットが現れ、人生が一変する。

 主演俳優の山田がプロデューサーを兼任したことで公開前から話題に。その裏で、同作に欠かせない存在感を見せているのが右近の友人、牛山役の荒川良々(44)だ。

 牛山は、他人と関わることが苦手な右近の唯一の友人で、謎のロボットとも心を通わすピュアなキャラクター。その風貌なのか、性格からなのかは分からないが、どこか故山下清さんを連想させる。

 “山田P”は牛山役について「単純に荒川さん以外に誰か思い当たりますかね。僕も山下敦弘監督も“一択”でした」とハマり役を強調。さらに「言ってしまうと、撮影スケジュールは荒川さんに合わせました。最初は別のタイミングで撮影する予定だったんですけど、荒川さんの舞台があったので。荒川さんなしでは、この映画は成り立たない」と全幅の信頼を寄せている。

 もう一つの見どころが、右近と佐藤健(29)演じる左近の兄弟関係だ。

 左近はエリート商社マンとして社会に順応しているが、生気が希薄で、何事も冷めた目で見ている。コミュニケーション能力がなく、すぐに熱くなる右近とは真逆の性格といえる。

 山田は「僕は男兄弟がいないから分からないけれど」と前置きしつつ、「右近の言っていることも、左近の言っていることもすごい分かる。普通だったら、この2人って一緒にいないんですよね。だけど、兄弟だから一緒にいる。そこが愛だと思います」と絶妙なバランスで成り立っている2人の関係を説明する。

 謎のロボットが登場するなど一見、現実離れした物語だが、実は人間臭さが織り込まれている。2018年の締めくくりに兄弟や友人同士で観に行き、隣にいる“相棒”への感謝の気持ちを再確認するのも悪くないかもしれない。(渡邉尚伸)

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