ここから本文です

ノーベル賞の酒 5年連続栄誉 晩餐会後パーティーに提供

12/8(土) 12:51配信

産経新聞

 スウェーデン・ストックホルムで10日(日本時間11日未明)に開かれるノーベル賞受賞晩餐(ばんさん)会後のパーティーに、神戸市東灘区の老舗酒造会社「神戸酒心館(しゅしんかん)」の清酒「福寿(ふくじゅ)」が5年連続で振る舞われることが決まった。福寿は近年、日本人が受賞した年は毎回採用されており、京都大の本庶(ほんじょ)佑(たすく)特別教授(76)が医学・生理学賞を受賞する今回で通算8回目。同社は「世界を納得させる酒を提供したい」と力を込める。(林信登)

【写真】ノーベルの似顔絵が描かれた樽

 採用が決まったのは同社の看板商品「福寿 純米吟醸」(720ミリリットル入り)。六甲山系の湧き水を使い、通常よりも10度ほど低い温度で発酵させるなど独自の手法で醸造している。フルーティーな香りやすっきりした口当たりで飲みやすいのが特徴だ。

 同社によると、2007(平成19)年にスウェーデンへ福寿の輸出を始めたところ、すぐにノーベル賞関係者の目にとまり、物理学者の益川敏英さんらが受賞した翌08年の晩餐会後のパーティーで初めて採用。以降、日本人や日本出身者が受賞した年には毎回振る舞われており、本庶さんが受賞する今年も約250本を提供する予定という。

 日本出身者としては昨年も日系英国人のカズオ・イシグロさんが文学賞を受賞したが、日本人としての受賞は2年ぶり。日本での盛り上がりを受け、受賞直後から同社には「ノーベル賞の酒」を求めて全国から注文が殺到し、今年11月以降の売り上げは通常月と比べて約30%も上昇した。

 酒蔵の杜氏(とうじ)にあたる同社醸造部長の宮本哲也さん(55)は「日本人の受賞に合わせて福寿を提供できるのは、特別なことで誇らしい。本庶先生の受賞に花を添えるとともに、海外の人たちの舌もうならせたい」と話している。

     ◇

 福寿 宝暦元(1751)年創業の酒造会社「神戸酒心館」が醸造する看板ブランドの清酒。七福神の一人「福禄寿」にちなみ、富と長寿に恵まれるようにとの願いを込めて命名された。平成7年の阪神大震災で200年以上稼働してきた木造の酒蔵が全壊し、一時生産中止に追い込まれたが、3カ月後には設備を整えて生産を再開した。全国新酒鑑評会金賞など多数の受賞歴がある。

最終更新:12/8(土) 19:02
産経新聞

あなたにおすすめの記事