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<北朝鮮内部>正恩氏指導の観光特区工事が中断 資金難と寒さで、動員された数万を撤収

12/8(土) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆資金難で一次工事も未達成

金正恩氏が最優先国家プロジェクトとして建設が進めていた両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)観光特区の工事が中断されたことが分かった。北部に住む取材協力者が12月5日伝えてきた。(カン・ジウォン)

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「三池淵に全国から動員されていた『突撃隊員』が、休暇名目で全員居住地に撤収することになった。しかし、故郷に戻る交通費も支給されず、(集結拠点の)恵山(ヘサン)市の駅前や市場は動員されていた人々でごった返している。冬を迎えて工事が進まないことに加え、動員された突撃隊員たちの寝泊りや食事の手当ができなくなり、深刻な状態になっていた。今は軍隊だけが残っている。結局、三池淵建設は資金難に直面して一次工事も達成できなかった」

取材協力者は現地の状況をこのように伝えた。

「突撃隊」とは、国家的な建設プロジェクトに動員される建設土木専門の労働部隊のことをという。主に青年組織から選抜され服務期間が3年程度の常設「突撃隊」と、職場や党員などからプロジェクトのために選抜される臨時の「突撃隊」がある。金正恩政権は、三池淵観光特区の建設のために、金正日氏の生誕日を冠した「2.16突撃隊」を構成。平壌市を含む全国の職場や党組織から人員を出させていた。

◆動員は8万人とも
この取材協力者が地元の幹部たちから聞いた話によると、今年、三池淵建設に動員されたのはのべ8万人に及ぶという。「2.16突撃隊」は原則6カ月交代だったので、2018年度は、三池淵の工事現場に、単純計算すると最大4万人が常駐していたことになる。地域別にテントなどの簡易宿舎を建て合宿生活を強いられていた。

「来年はのべ16万人を動員する計画なのだそうだ。三池淵を世界水準の観光地にするにしても、現地に向かう道路脇にある普天郡、胞胎(ポテ)労働者区のボロボロの老朽住宅が目障りなので、建て替えのために動員数を倍増させる計画だそうだ」

取材協力者はこのように言う。動員された人々は無給。住民たちは資材や献金の供出も強要されており、多大な負担となっている。

※三池淵郡の観光特区建設 
茂峰(ムボン)地区を「国際観光特区」にする政令が、2015年4月22日に発表された。2016年11月28日付け労働新聞は、三池淵を視察した金正恩氏が、「金正日将軍の故郷である三池淵を革命の聖地として建設すること」を指示したと報じた。また、2017年2月22日付の労働新聞は社説で「三池淵建設のために全党、全軍、全民を総動員しなければならない」という<お言葉>を掲載、金正恩政権の最優先プロジェクトとして進行することになった。

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