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(朝鮮日報日本語版) コメディーなのにまるでホラー、『完璧な他人』ヒットのワケは

12/8(土) 20:32配信

朝鮮日報日本語版

 映画『完璧な他人』が10月31日の公開以来、興行成績ランキング1位の座を守り続け、7日間で観客動員数は220万人を超えた。今年公開されたコメディー作品の中では最も勢いがある。この調子なら、今年最多の観客を集めたコメディー作品『それだけが、僕の世界』(約342万人)を上回るのではないかと予想されている。

【写真】 「映画『完璧な他人』をよろしく!」

 コメディー作品ではあるが、観客は「今年最高のホラー映画」との反応を示している。夫婦同伴の同窓会で、スマートフォンにかかってきた電話や届いたメールを互いに公開するというゲームの中で起こる対立を描いた作品だ。各自の人生において「忠実な侍従」役を務めていたスマートフォンがその過程で、秘密にしていた自分の性的嗜好から不倫、不動産詐欺の事実まで、何もかもバラしてしまう怪物と化していく。

 会社員のカン・ウンジョンさん(27)は「映画を見ながら大笑いする一方、肝が冷えた。ボーイフレンドと映画館を出て食事をするとき、バッグからスマートフォンを取り出すのが怖かった」と語った。映画市場分析家のキム・ヒョンホ氏は「スマートフォンであらゆるスケジュールや私生活を管理している韓国人なら誰もが共感できる素材が、観客をぐっと引き寄せた。政治・犯罪・戦争など重いテーマを描く韓国映画に飽きた観客が増え、昨年からはこうしたコメディー作品がヒットを飛ばし始めた」と指摘した。

 皆が共感できる素材のお陰で、映画館が小劇場のように盛り上がる雰囲気に包まれた、という声も多い。ソウル市九老区在住の主婦イム・ヒサンさん(44)は「映画館で観客がみんな一緒に爆笑しながら『あんなことって!』『うわあ、あの悪党』といった合いの手を入れていた。1980年代の映画館のように騒々しかったが興のある雰囲気だった」と語った。『完璧な他人』は、2016年公開のイタリア映画『Perfect Strangers』(邦題『おとなの事情』)のリメイク作品だ。イ・ジェギュ監督は「素材が持つ力が強く、原作の版権よりリメイクの版権の方が5倍も値が張った。韓国の状況と非常にうまくマッチしていると説明し、制作者を最後まで説得した」と語った。

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