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貴ノ岩引退「新弟子になりたい」心残りも暴力の責任

12/8(土) 9:47配信

日刊スポーツ

付け人に暴力を振るった平幕の貴ノ岩(28=千賀ノ浦)が7日、責任を取って現役を引退した。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)と都内の日本相撲協会を訪れ、八角理事長(元横綱北勝海)らに引退の意思を伝えて受理された。貴ノ岩は昨年10月の元横綱日馬富士による傷害事件の被害者で、一連の騒動により師匠だった元貴乃花親方(元横綱)が今年10月に退職。部屋を移籍して第2の相撲人生を歩み出した直後に加害者となり、引退を余儀なくされた。

【写真】08年10月、九州場所の新弟子検査で貴ノ岩の身長を測る貴乃花親方

協会から引退受理の発表が行われた3時間後。貴ノ岩は都内の部屋で行われた引退会見場に、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)とともに現れた。両者潤んだ目をして立ったまま、報道陣に対して約10秒間深く頭を下げた。「弟弟子に手をあげてしまい、大変つらい思いをさせたことを深く反省し、責任を取って本日をもって貴ノ岩義司、現役を引退させていただきます」と言い、また頭を下げた。

早い決断だった。貴ノ岩は4日午後11時ごろ、冬巡業で滞在していた福岡・行橋市のホテルで付け人の三段目貴大将を4、5発殴った。夕食時にはビールを1杯飲んだといい、付け人が風邪薬を忘れ、言い訳をしたことに腹を立て暴行。翌5日に事態が判明し、帰京して相撲協会から事情聴取を受けると、6日夜には千賀ノ浦親方に引退の意向を示した。引き留められた。「相撲を続ける気持ちは今もありますけど、やっぱり引退して責任取るという気持ちの方が強かったです」と、揺らぐことはなかった。

昨年10月の秋巡業中に元日馬富士から暴行を受けた被害者で、一連の騒動で元日馬富士、元貴乃花親方が角界を去った。それだけに今回の件に関して、背負った罪の大きさは計り知れない。「自分の気持ちの弱さ、自覚のなさ。反省しかない」と決断した。

9月まで苦楽をともにしてきた、元貴乃花親方の花田氏と連絡を取ったことを明かした。だが内容を問われると「そこは…すみません…」と明かさず。花田氏への思いを問われると「育ててくれた感謝と、迷惑かけて申し訳ないという気持ちが両方あります」と神妙に話した。

10年間過ごした角界を、思いも寄らぬ形で去ることとなった。今後の人生については「今のところは考えておりません」とした。会見最後に「もし相撲の神様がいて時間を戻してくれるならいつに戻りたいですか」と問われた。ひと呼吸置き「また、新弟子になりたいです」と言った声がむなしく響いた。

◆貴ノ岩(たかのいわ)本名アディヤ・バーサンドルジ。1990年2月26日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身。モンゴルでは柔道、レスリングの経験を生かし鳥取城北高へ相撲留学。卒業後に貴乃花部屋に入門し09年初場所初土俵。12年名古屋場所新十両、14年初場所新入幕。元貴乃花親方が育てた最初の関取だった。得意は右四つ、寄り、投げ。182センチ、150キロ。血液型O。通算成績は371勝303敗44休。三賞は殊勲、敢闘が各1回、金星1個。独身。8歳で母、来日直後には父を病気で亡くし、きょうだいは兄3人、姉1人。愛称はバスカ。

最終更新:12/9(日) 18:38
日刊スポーツ

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