ここから本文です

自衛隊施設4割でドローン規制なし テロ対策強化へ法改正検討

12/9(日) 7:00配信

毎日新聞

 全国の主な自衛隊施設238カ所のうち87カ所(約37%)で、敷地の上空150メートル未満で小型無人機ドローンの飛行に関する航空法などの規制がないことが、防衛省の調査でわかった。中核組織である航空総隊司令部が置かれた空自横田基地や陸上総隊の日米共同部がある陸自座間駐屯地も含まれていた。世界的にテロ攻撃の危険性が高まる中、政府はドローン飛行禁止法を改正して規制を強化する方針。12月後半の関係省庁会議で協議する。

 航空法は地上から150メートル以上の全空域、人口密集地区や飛行場滑走路の上空150メートル未満でのドローン飛行には、国土交通相の許可が必要だと定めている。毎日新聞が2月に防衛省に照会したことを受け、同省は陸海空自衛隊の施設で実態を初めて調査した。

 航空法による上空150メートル未満の規制がなかったのは陸自が132カ所中52カ所、海自は81カ所中34カ所、空自は25カ所中1カ所。残り151カ所は規制対象だが、航空法の飛行許可の基準は航空の安全に関するもので、「安全保障への配慮」規定はない。

 国会議事堂や首相官邸、皇居、外国公館などの「重要施設」はドローン飛行禁止法で飛行が禁止されている。しかし、自衛隊関連の重要施設は防衛省本省(東京)の周辺だけとされ、米国は在日米軍施設の周辺も規制するよう要請している。

 ドローンの民間利用を推進する日本政府は当初、規制強化に慎重だったが、2020年東京五輪に向けたテロ対策を検討する中、自衛隊・米軍施設でもドローン飛行禁止法による規制の対象を拡大する案が浮上した。

 テロを含むドローン攻撃への対応は国際的な課題だ。過激派組織「イスラム国」(IS)が16~17年、イラク北部で小型爆弾を積んだドローンによる攻撃を多用。南米ベネズエラでも今年8月、マドゥロ大統領の演説中に爆発物を積んだドローンが上空で爆発し、負傷者が出た。

 ただ、上空飛行の禁止だけではテロなどに十分対応できない面も残る。接近するドローンが危険だと判断した場合、自衛隊は武器を使用して撃ち落とすことが可能だが、操縦者を追跡・捜査する権限は警察にあり、自衛隊のテロリストへの対抗策には限界がある。

【秋山信一】

最終更新:12/9(日) 7:00
毎日新聞

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ