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チケット高値転売で懲役1年・罰金100万円 東京五輪に向け“ネットダフ屋”一掃へ

12/9(日) 6:00配信

スポニチアネックス

 スポーツやコンサートの入場券を高値で転売することを禁じる入場券不正転売禁止法が8日、参院本会議で可決、成立した。2020年東京五輪・パラリンピックを見据え、規制する方法がなかったインターネット上の「ダフ屋行為」に歯止めをかける。人気イベントの入場券がネット上で高く売られ、転売利益を狙った大量購入が横行していると社会問題化していた。

 禁止するのは、利益を得るために定価を超える金額でチケットを転売することや、不正転売目的で譲り受ける行為。対象は入場者や座席を指定したチケットで、興行主側にも本人確認を取る努力義務を課した。違反者には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または両方を科す。来年6月に施行される。

 “ネットダフ屋”は2001年ごろから増え始めた。イベントやスポーツ会場など公共の場でのダフ屋行為は都道府県の迷惑防止条例などで禁止されているが、ネット上の転売は公共の場に当たらず、取り締まりが容易ではなかった。

 規制が加速した背景にあるのは20年東京五輪・パラリンピック。五輪チケットの不正転売は過去の大会で問題化してきた。12年ロンドン大会では五輪関係者らが額面価格の最大10倍の値段で数千枚のチケットを販売。一部の競技では転売が成立せず、会場で空席が目立つ事例も発生した。16年リオ大会では、開会式入場券(約15万円)を8倍の値段で転売した“ネットダフ屋”が摘発された。

 高額転売の横行を野放しにすれば「大会に対する評価にも影響する」(東京大会組織委員会関係者)。それだけに、来春からチケット一般販売が始まるのを前に国が法制化した格好だ。

 芸能界では10年以上、この問題に直面してきた。ある転売サイトでは、人気グループ「嵐」のライブチケットが定価(1枚9000円)の40倍近い35万円で出品されている。転売業者だけでなく、一般のファンらが入手したチケットを軽い気持ちで高額転売するケースも増えている。音楽業界では入場時の本人確認などの対策を取ったが、「コストと時間がかかる。開演2時間前に開場したのに、定刻から大幅に遅れたこともあった」(業界関係者)といい、決定打は打てずにいた。

 既に入場券販売がスタートしているラグビーW杯組織委の嶋津昭事務総長は新法を「不正転売の抑制に大きな一歩」と歓迎。一方、興行関係者は「何をもって高額と判断するかはケースによって異なる。今後の事例が積み上がるのを待つ必要がある」と課題も口にした。

 《続くいたちごっこ》 高額転売をめぐっては、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で2013年のサービス開始以後から問題化。数百人の常駐スタッフが監視してきたが、出品は1日100万点にも上るため、いたちごっこが続いていた。今年に入り、人工知能(AI)による監視を強化している。

 今年6月には、チケット転売サイト「チケットキャンプ」がジャニーズ事務所の商標を無許可で使用したとして、親会社のミクシィの元社長らが書類送検された。事務所の許可を得ずに、所属アイドルのコンサート情報をまとめたサイトから、転売サイトに誘導していた。

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