ここから本文です

醤油の「密封成長」も鈍化…業界全体に焦燥感

2018/12/12(水) 15:00配信

日本食糧新聞

今年の醤油出荷総量の減少幅が例年より大きく、市場全体が焦燥感に駆られている。大幅な出荷減は天災の影響が色濃いが、消費の多くを頼ってきた1L(リットル)など大容量品の落ち込みが加速した。頼みの密封容器の成長率、輸出拡大も徐々に鈍化。業界・事業継続を果たすための商品価値・収益の向上が待ったなしの感を強めた。全体の出荷減を補う、さらなる需要喚起の一手が求められている。

長寿少子化で大容量品の減少が加速

日本醤油協会と全国醤油工業協同組合連合会が集計した今年1~9月の醤油出荷量は、前年比1.9%減の54万4418kl(キロリットル)。キッコーマン食品などの大手5社、中小の全醤工連がともに約2%減と落ち込んだ。

出荷数量は12年の80万kl超を最後にして70万kl台で漸減して推移。近年の縮小率は毎年1%減となり、以前までの2~3%減よりは下げ止まりつつある。メーカーをはじめとした企業・工場数は、過去5年間で年35軒の減少ペース。直近では団体数は1200を切ったとみられる。

品種はJAS規格の濃口、淡口、たまり、再仕込み、白に大別でき、出荷構成比は濃口が80%、淡口10%超と圧倒。市場縮小と同様にメーンの濃口、淡口が減産し、付加価値が訴えやすく、豊かなうまみで輸出向きのたまりは増産。再仕込みや白も最近は増加傾向にある。

種類ごとの消費減が顕著なのが容量帯別。シェア20%弱の1Lペットボトルが家庭用の主力となり、業務ユースも得る1.8Lが15%強。一般品の主流を占め、長く市場全体を支えてきた2品で、出荷減が激しい。2品の縮小幅は毎年5%前後が続く。

大容量品の減少は、1~2人世帯が全国60%に迫る急速な小世帯化、65歳人口が30%近い超高齢化を超える、長寿少子化による消費減が主因だ。

メーカー取材では今年、特に大容量2品のダウン率が大きいとする声が多かった。台風の度重なる到来、7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震といった、天災が相次いで消費マインドが低下。縮小傾向を加速している。

1/2ページ

最終更新:2018/12/12(水) 15:00
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事