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ベルギーのアフリカ博物館、10年の「脱植民地化」経て再開

2018/12/13(木) 9:14配信

The Telegraph

【記者:James Crisp】
 ベルギーの王立中央アフリカ博物館(Royal Museum for Central Africa)は、1世紀以上の間、植民地時代の略奪品を多数収蔵した記念館として存在してきた。

 だが10年にわたる「脱植民地化」プロジェクトを通じて生まれ変わった同博物館が9日、5年ぶりに一般公開された。コンゴ民主共和国での残酷な歴史に正面から向き合うべく、ベルギーが最初の一歩を踏み出したと見ることもできる。

 絶対君主としてコンゴ自由国(Congo Free State)を統治したのは、ベルギー国王レオポルド2世(King Leopold II)。多額の利益をもたらす天然ゴムや鉱物を奪い取り、現地の人々に対して過酷な圧政を敷いた。この中で多くの人々に対する残虐な行為が行われ、一部専門家の推定によると、犠牲者は1500万人に上ったとされている。

 博物館ではこれまで、征服した先住民グループのリーダーの頭蓋骨や、狩猟者によって殺された野生動物の剥製約500点など、計18万点以上の略奪品が展示されていた。いわば、アフリカ大陸の広大な一帯を「属国」に変えたベルギーの功績をたたえるものとして存在していたのだ。

 1910年にベルギーの首都ブリュッセル郊外の緑豊かなテルビューレン(Tervuren)に建設された博物館は、一見すると宮殿のようだ。6700万ポンド(約95億円)が投じられた今回の改装では、アフリカ人アーティストによる作品展示などを通じて暗い過去との決別を計り、レオポルド2世による博物館のイメージを一新させる目的があった。

 だが再公開の直前には、コンゴ民主共和国のジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領が自国の文化財返還を求める予想外の出来事があり、再開に水を差す一幕もあった。カビラ大統領からの要請について、博物館側は検討すると応えている。

 この少し前には、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領が、仏植民地時代のアフリカの文化財返還を約束している。カビラ大統領は今回、ベルギーの大手新聞社ル・ソワール(Le Soir)に対し、韓国政府の協力を得て自国に建設中の博物館で展示するための作品や資料を必要としていると明らかにしている。

 同博物館のグイド・グリシールズ(Guido Gryseels)館長は、博物館のフォーカスが、レオポルド2世が同地域で行った残忍な搾取への称賛からシフトさせようと、約10年にわたって努力をしてきた。

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最終更新:2018/12/13(木) 9:31
The Telegraph

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