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都心に出せない「A級グルメ」 “わざわざ行きたくなる”戦略とは

2018/12/13(木) 15:40配信

MBSニュース

ご当地の名産品「B級グルメ」はグランプリを決める大会が行われるなど、もはや市民権を得ていますが、「A級グルメ」という言葉をご存知でしょうか。地域の特産品で生産量が多くなく、都心にまで流通しないものをその地域に来たら食べられる名物にして、町おこしをしようというものです。「A級グルメ」発祥の地、島根県邑南町の取り組みを取材しました。

地元の食材をその場で調理、永久に残したいものを「A級グルメ」

辻憲太郎解説委員が訪れたのは、雲海が見られることで有名な島根県の中央部にある邑南町。人口約1万1000人、面積の8割以上が山林という自然豊かな町です。そんな邑南町が全国に先駆けて取り入れた新たな試みがあるそうで…

「こちらが、邑南町にあります地元のレストラン『里山のからだにやさしい発酵レストラン・香夢里』ですね。看板に書いてあります『A級グルメ』と…」(辻解説委員)

店の外に掲げられた「A級グルメ」の文字。一体、どんな料理なのでしょうか。出てきたのは、たくさんの小鉢がのったおしゃれなランチセット(“からだにやさしい”発酵かご盛りランチ・税込み1300円)です。

Q.A級グルメとは?
「生産量も限られていて、町外に出るとすぐなくなってしまうんですけれども、なるべく地域のものを使って、良いものをいい状態でお客様の口に運ばれるものを作っている」(シェフ 紺谷忠司さん)

地元の食材をその土地で調理して提供する、これを「A級グルメ」というそうです。ランチの食材はほとんどが邑南町産。豆腐は町内で朝作られたばかりのもの。サラダには地元の新鮮野菜が使われています。炊きたてのさつまいもごはんも、もちろん地元でとれたものです。

「地元でとれた新米、地元でとれたサツマイモを混ぜて、贅沢ですね」(辻解説委員)

農業だけでなく畜産も盛んで、「石見和牛」はブランド牛として知られています。しかしなぜ、「A級グルメ」を打ち出すようになったのでしょうか。

「石見和牛という年間200頭の未経産の和牛ということで(東京に)持って行ったんですけど、商談のときに言われたのが、『2週間で200頭のヒレとサーロインを持ってきてくれ』と。生産量が追いつかないということで、どうしようかってなったときに、実際にここに来て貴重品を食べてもらおうと考えたのが『A級グルメ』」(邑南町役場・食と農産業戦略室 寺本英仁さん)
Q.B級グルメというのはかなり知名度がありますよね?
「せっかく生産者が一生懸命作っているものを“B”と言うのはすごく嫌だったんですね。やはり“A級”だと。永久に残したい、次の世代に残したいという」

人口が減り続ける町を活気づけようと、“B級”ではなく“A級グルメ”で勝負を挑んだ邑南町。取り組みを始めて7年、いまでは食を目当てに県外からも多くの人が訪れるようになりました。「レストラン・香夢里」を訪れていたお客さんに話を聞くと…

Q.目的の食材は?
「石見牛です。満足です」(広島からの女性客)
Q.広島から来た甲斐はあった?
「ありました、十分ありました」

別の女性客も…

Q.味はどうだった?
「すごく素材の味が生きてて、美味しいなと思いました。ここだけの味だと思います、この味は」

それまで年間45万人だった観光客の数も90万人以上と倍増しています。

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最終更新:2018/12/13(木) 15:40
MBSニュース

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