ここから本文です

コーチ必携の“見極める力” 巨人復活の鍵を元侍J打撃コーチ、篠塚和典に訊く

2018/12/13(木) 18:50配信

VICTORY

ファームで結果を出さなければ一軍に上がれないのは、いまも昔も変わらない。そうした選手が順調に一軍に定着できていた時代とそうはなっていない現在では、なにが違うのか。篠塚氏は、試合での結果が選手の体に覚えこませた感覚や技術によって生まれたものか、その見極めがうまくいっていない可能性を指摘する。また、ファームの“試合中心”のスケジュールが、選手が感覚を体に定着させる“間”を失わせているのではないか、とも。

感覚を確かなものにするためには試合と試合の“間”が必要

──かつては一軍と二軍の入れ替えがあまり頻繁に行われなかったように思われます。そこにはどんな理由があったと思いますか。首脳陣が我慢強かったということなのでしょうか?

篠塚 ひとつはいまよりも試合が少なく、日程に余裕があったことがあるよね。それに加えて、一軍に上がっていった選手は、ちゃんと結果を残していたからじゃないかな。ファームでしっかり育てられていたんだと思うよ。いまは一軍に上がってきても、結果を出せる選手がまず少ないよね。少し活躍できても勢いが続かない。入れ替わりでほかの選手が上がってくるけれど、同じような感じで、一度落ちた選手がまた上がってきて、というようなことが起こる。一軍と二軍を行ったりきたりするのは、選手も落ち着かない。そうなる理由がどこにあるかを考えていくと、ファームの試合が増えたことの影響ではないかと思うんだよね。以前は一週間で、試合が3日、練習が3日、休みが1日くらいだった。それが、今は週に5日くらい試合をすることもある。積み重ねていくような練習、反復練習をする時間が足りていないように感じる。

──育成選手なども交えた三軍の試合なども年々増えていますね。

篠塚 育成中の選手にとって、試合というのは練習でつかんだ感覚を試す場であるべきだと思う。試合というのは“一瞬”のものだから、そこでうまくいっても、それが自分の体が覚えた感覚、身についた技術に裏付けられたものとは限らない。偶然ということもあるからね。試合の結果だけで力がついたと判断されて一軍に上がってきた選手は、すぐに不調に転じるということもある。だから試合の間に、しっかり練習する時間を挟むことで、感覚を自分のものにしていくというのが大事。試合と試合の“間”が必要なんだよ。それなしに長続きする技術をつくるのは、俺は不可能だと思うよ。ファームのコーチは、試合の前後の練習にも目を光らせて、選手にたしかな技術がついているのかを見極めないといけない。そこは一軍のコーチの目が届かないわけだから、改善の余地はあると思う。少年野球なんかでも同じだよ。土曜日、日曜日に集まって試合や練習を行うことが多いけれど、平日に自分で頑張って練習して、「次はこれを試してみよう!」とワクワクしながら土日を迎える。そんな習慣づけができている選手は伸びるよね。

──メリハリが大事であると。

篠塚 もうひとつ言うと、ファームから一軍に上がった選手が、試合に出られない期間が続くと、どうしても体力が落ちて、動きが悪くなることがあるんだよね。それも力が出せない理由になっていると思う。ファームできつい練習をやって、しっかり体を鍛えておくことは、一軍で控えに回っている間も体のキレを保つことにもつながっていく。実際には、一度増やした試合を減らすというのは難しいとは思うけれど、もう少し練習量を増やすための方法を考えてもいいんじゃないかな。

1/2ページ

最終更新:2018/12/13(木) 18:50
VICTORY

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事