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ファーウェイ問題の背景に米中の熾烈な火花…5G時代到来を前に習近平主席が目指す「天戦」「電戦」勝利

2018/12/13(木) 15:20配信

AbemaTIMES

 ファーウェイの副会長・孟晩舟容疑者逮捕の報復なのだろうか。日本時間11日、カナダ元外交官で「国際危機グループ」顧問のマイケル・コブリグ氏が中国で拘束されたことが報じられた。

 カナダに孟容疑者逮捕を要請したアメリカではワシントンで国務省のパラディーノ副報道官が「我々は人権と国際ルールの観点から、中国が恣意的な拘束をやめ、個人の保護と自由を尊重するように中国に要請した」とコメントすると、中国外務省の陸慷報道局長は、「(コブリグ氏の拘束について)こちらから提供できる情報はない。もし拘束が本当だとしたら中国は必ず法律に沿った処遇をするのでご安心を」と反論している。

 米中のせめぎあいを背景に、米中貿易協議の駆け引きも見え隠れする。9日、CBS「Face The Nation」に出演したアメリカのライトハイザー通商代表は、孟容疑者逮捕による影響について「私はあまりないと考えている。これは刑事司法の問題で貿易政策に関わる人々が取り組んでいる問題とは全く別のことだ」と指摘した。一方、トランプ大統領はロイター通信のインタビューで、貿易協議の進展を前提に中国側の要望を受け入れ、司法省に介入する可能性を示唆している。

 両国がここまで火花を散らす理由の一つが、5G時代の到来だ。高速・大容量化、超低遅延性により、2時間の動画データをたった3秒でダウンロードできるようになる。持続可能端末数も現状の100倍、さらに省電力化でコストは半分から3分の1にまで下がるとも言われている。中国は2015年に発表した産業政策「中国製造2025」の中で、10の重点分野を強化、製造の高度化を目指すとしており、「2025年=製造強国の一員」、「2035年=製造強国の中間的水準」、「2049年=製造強国上位」というステップを経て、建国100年を迎える2049年には“世界製造強国“上位に入るとしている。しかし技術的には2049年よりもはるか手前の来年にはアメリカを超えるとの観測も出ているのだ。

 12日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した現代ビジネスのコラムニスト・近藤大介氏は、「アメリカとしては、中国に覇権を握られるのではないかという懸念がある。スマホにしても、ファーウェイがiPhoneを抜いていて、来年にはサムスンを抜いて世界制覇する可能性がある。このタイミングを逃したくないというのがあったのだろう。一方、中国としてはファーウェイは国際法違反をしていないし、シルクロード時代からの長い友好の歴史があるイランと取引をして何が悪いのかというのが言い分だろう」と話す。

 「ファーウェイは大学卒の初任給が40万円で、平均年収も高く、いい人材がたくさん来る。どこの国でも合法的にやってきた。にも関わらず犯罪ばかり起こしているようなイメージがあるのは、アメリカが情報を植え付けているというのも否定できない。事実を冷静に見ていかなければいけない。今、半導体市場にはクアルコムVSファーウェイという図式がある。クアルコムの裏にはアメリカ政府が、ファーウェイの裏に中国政府がいる。ファーウェイとシェア2位のZTEは犬猿の仲で、“30年戦争“とまで言われていてが、習近平氏はこの2社を合併させたいと考えている。そのZTEが勢力を落としたのにはアメリカ政府による制裁が関係している。アメリカ政府は今年4月にZTEに制裁を加えたが、驚くべきことに2か月で留保となった。ファーウェイの情報がほしいアメリカが、ZTEと司法取引した可能性もある。いずれにせよ、スマホ市場でも2番手はファーウェイ、4番手Xiaomi(シャオミ)、5番手OPPO(オッポ)と、ベスト5に3社も中国勢が入っている。来年5Gについての国際会議が開催されるが、それまでに日米どちらがシェアを取るかが焦点だ」。

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最終更新:2018/12/13(木) 15:20
AbemaTIMES

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