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卵や乳製品を使わない食パン 注文販売だけで黒字(神奈川)

2018/12/14(金) 10:08配信

福祉新聞

 神奈川県小田原市の社会福祉法人よるべ会(星野泰啓理事長)は、障害者就労継続支援B型事業所で、食パンを作り有精卵を販売している。味と質の良さは地域から高評価。注文が殺到し、すぐに売り切れる人気ぶりだ。

 1999年に開所した「コスタ・二宮」(定員40人)で作っているのは、山型・角型の食パンとロールパン、コッペパンの4種類。食パンはアレルギー反応を起こす卵や乳製品を使わないのが特徴で、前日に受けた注文数に応じ1日150~210斤を焼き上げる。昼に間に合うよう職員は朝5時半、利用者は7~8時に来て作業を始める。

 主な取り引き先は、農協の直売所や福祉施設、病院、個人など。直売所などに並んだパンは1~2時間で売り切れるという。年間売り上げは1087万円(平均月額工賃は約2万1000円)。注文販売だけで黒字になるのは、安全・健康に配慮したおいしいパンであることと、長年かけて築いた顧客との信頼関係があるからだ。

 信頼関係の礎を築いたのは、85年に開所した「よるべ沼代」(旧沼代園、定員40人)の有精卵が始まりだ。

 山を切り開いて造った自然養鶏場で平飼いする「あずさ」が自然交配した卵。抗生物質やワクチン、飼料添加物を使わず、学校給食の残食に野菜くず、魚粉、カキ殻、米ぬか、トウモロコシなどを混ぜた餌で育てている。

 最盛期は3000羽いたが、現在は1260羽を飼育し、毎日約400個の卵を生産・販売。農協の直売所や箱根の温泉宿、個人宅などへ配達する。料金は配達エリアによって1個40~43円で、年間売り上げは450万円に上る。

 「利用者が高齢化し養鶏は曲がり角にきている。収益性も低いが、顧客のためにも続けたい。製パンは1年先まで注文が入るくらいの日本一の食パンを目指したい」と星野理事長は話している。

最終更新:2018/12/14(金) 10:08
福祉新聞

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