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孤立を防ぎたい…中国残留孤児が集う介護施設

2018/12/17(月) 17:50配信

MBSニュース

大阪のとある介護施設。施設内では高齢者がトランプや麻雀を楽しんでいて、そこで飛び交う言葉は中国語です。通っているのは中国残留孤児、終戦前後の混乱で肉親と別れて中国に残された人たちです。祖国日本に永住帰国したものの、言葉や文化の壁は大きく孤立してしまう人も多いといいます。終戦から73年が経ち帰国者の高齢化が進むなか、残留孤児の居場所となっている介護施設を取材しました。

中国語が飛び交う介護施設

大阪府大東市にある「家園デイサービスセンター」を訪れた辻憲太郎解説委員。施設の看板には中国語で「お気軽にお問い合わせください」と書かれています。中に入ってみると20人ほどの高齢者がいて、みなさん楽しそうにトランプや麻雀などをしていますが…ここで飛び交うのは中国語です。

Q.ほとんどの方が残留孤児?
「そうですね」(家園デイサービスセンター 呉敵さん)
Q.中国語で会話をして楽しんでもらうということなんですか?
「日本語ができず近隣とのコミュニケーションもなかなかとれないので、こちらに来ていただいて老後に楽しい生活を送ってもらえたらと思って」

終戦前後の混乱に巻き込まれ、肉親と別れ中国に残された日本人の子どもたちを「中国残留孤児」といいます。その数は数万人に上るといわれています。1981年に本格的に残留孤児の身元調査が始まり、2018年11月末時点で1284人の身元が判明しました。そして現在、残留孤児とその家族9000人以上が日本に永住帰国しています。しかし、言葉や文化の壁もあって日本社会に馴染めず孤立しがちだそうで、同時に高齢化も進んでいます。

帰国4世「残留孤児らの交流の場を」

5年前にこの介護施設を始めた呉さんは帰国4世です。

「もともと近所に“中国の方”が結構大勢住んでいて、その方たちが病院に行く際に言葉が通じないと。僕は日本で育ち日本語ができて中国語も日常会話ならできるので、通訳として(病院に)一緒に行った。そういう交流がある中で、ほかにもいっぱい困っている方がいると聞いて何かできないかなと思って」(家園デイサービスセンター 呉敵さん)

この施設には残留孤児やその家族、45人が通っています。5人いるスタッフは中国人か中国語を話すことができる日本人で、意思疎通はすべて中国語です。

「最初は日本のデイサービスに行っていました」(施設を利用する女性)
Q.中国人はいましたか?
「いませんでした。ここでは中国語が話せます。日本語は少しだけでいいです」

Q.麻雀をしながら友だちと話すのが楽しい?
「そうそう、それが楽しいの!」

心置きなく中国語で仲間たちと会話をする…それがストレス解消になっているようです。もちろん、デイサービスとして健康管理や体操、入浴介護なども受けることができるため、毎日来たいという人も多いのだそうです。

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最終更新:2018/12/17(月) 17:50
MBSニュース

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