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【米中デジタル冷戦】日本は米国忖度だけでいいのか――ファーウェイ排除の根拠は?

2018/12/18(火) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

“「日本政府が来年(2019年)3月、華為(ファーウェイ)を本当に5Gから排除するかどうか見守っています。実際に排除しそれに中国が報復したら大変なことになる」”

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ファーウェイCFOがカナダで逮捕(保釈中)された直後、旧知の中国外交消息筋はこう言った。穏やかな口調とは逆に、「報復」に妙なリアリティを感じた。

まるで「ココム」再来

「米中貿易戦」は、トランプ政権がファーウェイなど中国製品排除を同盟国に求めたことで、「デジタル冷戦」の新次元に足を踏み入れた。まるで米ソ冷戦時代の「対共産圏輸出統制委員会(ココム)」の再来を思わせる。

ココムで西側は共産主義陣営への軍事技術や戦略物資を禁輸し、世界経済を東西に二分した。冷戦が終わり経済面で「地球は一つ」になったはずだが、逆行するのだろうか。デジタル技術・製品を軸に世界が米中2ブロックに分かれて争う時代、日本は将来をかけた岐路で選択を迫られる。

日本政府は、第5世代(5G)移動通信システムの周波数割り当て審査基準に、「情報漏えい」など安全保障上のリスクを盛り込み、ファーウェイと中興通訊(ZTH)の中国大手二社を事実上排除する方針だ。ソフトバンクなど携帯各社もこれをすんなり受け入れ、2社の製品を採用しない方針を決めたと伝えられる。

幹部逮捕は人質と同じ

ファーウェイは創業30年で売り上げ10兆円を達成。世界の通信基地局の約28%を占め、スマートフォンの売り上げも世界2位。ソフトバンクが2017年度に調達した同社の基地局は6割近い。ソフトバンクは既設の4Gの基地局も別製品に置き換える方針という。

一方、ファーウェイの年間調達額は半導体だけで約1.5兆円。日本の電機、部品メーカーからの調達額は2018年約6700億円(2017年は約5000億円)相当にものぼる。ファーウェイの部品調達先を見ると日本だけでなく、アメリカ、韓国、台湾、欧州と幅広い。ファーウェイ排除が複雑なサプライチェーン(供給網)への打撃になるのは間違いない。

排除の背景には、高速大容量の5Gでの米国勢の出遅れがある。それにしても、ファーウェイ社幹部の身柄のアメリカへの引き渡しについて、トランプ大統領が「介入の意思がある」と述べたのは異様だ。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は

“「ファーウェイCFOを貿易交渉のカードとして人質に取っているのと同じだ。アメリカの法の支配とは、大統領の気まぐれに左右されるのか」”

と批判した。

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最終更新:2018/12/18(火) 12:10
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