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「いつまでも犯罪者扱いしないで」 “マグロ過剰漁獲”責められる漁師の苦悩

2018/12/19(水) 17:24配信

みなと新聞

 「いつまでも犯罪者扱いしないで小型魚の枠をくれ!」。14日に札幌であった太平洋クロマグロ漁獲枠の意見交換会での漁業者の訴えは切実だった。全国の漁業者に激震が走った「道南の定置網漁業者によるマグロ過剰漁獲」から1年以上が経過。関係者はおわび行脚に加え、“迷惑料”の名目として1億5000万円を日本定置漁業協会に支払った今も、道南の漁業者には冷たい視線が送られている。

 資源量が減少している太平洋クロマグロは、資源回復に向け国際機関が国ごとに漁獲上限(=漁獲枠)を設けている。日本に割り当てられた枠を、水産庁がさらに都道府県ごとに割り振って枠を管理している。特に1尾30キロ未満の小型魚は、資源への影響を考慮して厳しい漁獲枠が設定されている。日本の沿岸漁業は2016年漁期(16年7月~17年6月)に漁獲枠を超過。いわば“借金状態”に陥った。

 漁獲枠を返済するため、17年漁期(17年7月1日~18年6月末)では超過分を差し引いた枠を設定。これ以上国際的な信頼を損なわないためにも、2年連続の枠超過は絶対に避けなければいけなかった。

 しかし17年10月、道南の一部定置漁業者が小型魚を大量に漁獲。北海道は、各都道府県に割り当てられていた漁獲枠を大幅に超えた。日本が枠を守るためには、他府県が獲る量を減らす必要がある。2年連続の枠超過を避けるため、漁業者は操業自粛に追い込まれた。結果17年漁期の枠超過は避けられたが、マグロ漁業者だけでなく、ブリなどを狙う他の漁業者もマグロを漁獲する恐れがあることから漁を自粛。収入を奪われた全国の漁業者から、道南の漁業者に批判が相次いだ。

 超過分は次期以降の枠から差し引くルール。北海道は17年漁期の枠超過分を精算するため、やむを得ない混獲分を除き、18年漁期から5年間は小型魚の漁獲枠が実質ゼロ。過剰漁獲を起こした定置網漁業者だけでなく、ほかの定置網や小さな船で沖に出て延縄漁などを行う零細漁業者もあおりを食う。

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最終更新:2018/12/28(金) 17:54
みなと新聞

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