ここから本文です

「観光客が増えるのはいいけど……」一方で深刻な観光公害

2018/12/21(金) 20:20配信

LIMO

近年になって、日本に海外から多くの観光客が集まるようになりました。

観光庁が発表している訪日外国人旅行者数の推移を見ると、調査を開始した2003年は521万人でしたが、2017年には約5.5倍の2869万人になりました。2013年が1036万人であることを考えても、時期的にはオリンピックの東京開催が決定したあたりから急増したと考えられます。

しかし、日本への注目が集まっている中で、観光地周辺の環境の悪化が懸念されています。そうした悪影響は、広い意味で「観光公害」と呼ばれています。

「観光公害」って何?

多くの方は「公害」というと、「水俣病」や「イタイイタイ病」などの公害病を引き起こした大気汚染・水質汚染による健康損害や自然破壊、あるいはゴミや産業廃棄物の不法投棄などを想像するかもしれません。

観光公害についても、こうした語感から素直に連想されるような、「観光客による自然破壊やゴミの不法投棄」といったことももちろんあります。が、それらに加えて「地域住民の生活を侵害していること」もまた問題になっているのです。具体的に言えば、たとえば、交通機関の混雑・渋滞、小売店や飲食店の行列、住宅街への侵入などが挙げられます。ネット上で、そうした場面に遭遇した人らしき意見を探してみると、

「久しぶりに帰省したら観光客で道が大渋滞するようになってた…」
「人がなんでこんなところに大量に集まってるんだろと思って近づいたらみんな中国語っぽい言葉を話してたり」
「座敷に靴で上がるなよ。旅行先の国のマナー知るのは最低限の礼儀」
「やたらうるさい集団がおるなーと思ったら外国人やん」
「人通りの多い道の真ん中でグループで自撮りするな! 邪魔!」

など、多くの人のコメントが見られます。

観光客増の落とし穴

「観光客が増えたら、観光地が潤うわけだから、それくらい別にいいじゃん!」と思われる方もいるかもしれませんね。

しかし、当たり前ですが、単に観光客が増えることが、地域の経済を活性化することにつながるとは限りません。むしろ、そうした人々を生活圏に受け入れるリスクのほうが大きい場合も往々にしてあるのです。ゴミの処理や、トイレや道路といったインフラ・施設の整備は、観光と直接は関係のない立場・地域の住民も含めて、地元の自治体で税金として納められたお金も大きな財源となっているためです。

ネット上では、

「過剰な観光地整備に税金突っ込み続けるより市民生活に目を向けたらどうか?」
「観光最優先もいい加減にしてください。市民の税金は市民のために使って」
「住居が観光地だからって市民からも税金支払いなんておかしい」

といった意見が見られました。「税金を払う人」と「メリットを受ける人」が違っていることなどを中心に、おおむね否定的な意見なのですが、中にはほかの自治体事業と比較して、「まったく役に立たない政策にお金を使うよりはマシ」と消極的な肯定の態度を取る人もいるようです。

1/3ページ

最終更新:1/31(木) 6:40
LIMO

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事