ここから本文です

娘がいる男性は性差別意識が低くなる傾向 研究

2018/12/22(土) 10:08配信

The Telegraph

【記者:Sarah Knapton】
 娘がいる男性は、娘がいない男性に比べると性差別意識が低くなる、との研究結果を英ロンドン大学経済政治学院(LSE)が発表した。

 娘がいる男性は、そうではない男性よりも、男性は仕事に行き、女性は家庭で育児に専念するべき、といった伝統的なジェンダーロール(性別によって社会から期待される役割や行動様式)にこだわる傾向がかなり低い。「マイティーガール(パワフルな女の子)効果(Mighty Girl Effect)」と呼ばれるこうした傾向は、娘の成長につれて強まることも分かった。研究の結果、小学生の娘がいる父親は、一家の大黒柱は男性であるべきだと考える割合が、同年代の娘を持たない男性に比べて8%少なく、娘が中学生になると、その割合は11%に拡大した。

 英オックスフォード大学出版局(Oxford University Press)発行の「オックスフォード・エコノミック・ペーパーズ(Oxford Economic Papers)」に掲載された論文は、女児のいる男性は子育てを通して、少女や成人女性たちが社会で被るさまざまな不利益を理解するようになり、その結果、自分自身の考え方もかなり変わってくるのではないかと指摘している。

 研究チームは、英国内で1991~2012年の約20年間にわたり、娘を持ったことで父親と母親にそれぞれどのような影響があったかを分析。夫が稼ぎ、妻は家事をするべきという伝統的なジェンダーロールにこだわる程度を調べた。

 その結果、娘のいる男性は、そうした固定観念を抱く割合が低く、特に娘が学齢に達すると、その傾向が強まることが分かった。

 一方、母親には有意の影響は認められず、娘を持つことが親に与える影響には男女差があるという過去の研究を裏付ける結果となった。女性にそれほど影響がみられなかったのは、女性であることの不利益を母親たちが直接体験してきているからだろう、と研究者らは指摘している。

 また、学童期の娘がいる親は、伝統的なジェンダーロールに従う割合が減ることも分かった。娘が生まれたときと、娘が学齢に達したときとで考え方が変化するのは、「ジェンダーの規範」に従うことを求める社会的圧力を女子が実際に受ける機会が増えてくる時期とも一致している。

 LSEの社会政策学部と社会的排除分析センター(CASE)に在籍している博士課程の学生、ジュリア・フィリップ(Julia Philipp)氏は、「ジェンダーロールに対する固定観念は、職場の内外で男女同権を実現する上で障壁となり得る。そのため、こうした固定観念が時間と共に変化し得ることを示した私たちの研究結果は、大いに希望を持てる内容だ」と述べている。

 研究チームは、不利益を間接的に見聞きしただけでも、人の考えは変化し得ると結論付けている。

1/2ページ

最終更新:2018/12/22(土) 10:08
The Telegraph

あなたにおすすめの記事