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【いま大人が子供にできること(90)】 哲学的な絵本が、4歳児にウケる時代?

2018/12/22(土) 12:05配信

ニュースソクラ

「虐待」をテーマにした、はずれない本

 これは、リマ豆が好きなのに、好きだというとまわりの子にえ~っ、といわれそうなので(なんか古くさいようです)キライだわ、といってしまったために、全身に模様がでるシマシマ病になったしまった女の子の話です。

 お母さんはマスコミが取材にきたので浮き浮き、お父さんは、なんかできることはあるかい?と聞いてはくれるけど、ないわ、と娘に言われるとそのまま引き下がってしまうという、理解はしてくれるけど役にはたたない人……。

 そこへ魔女のおばあさんがいきなりやってきて、お嬢ちゃん、ホントはリマ豆お好きなんでしょ?
 と聞いてくれる……。

 で、もちろん、そうよ!大好きよ!
といえるようになったら病気は治る、というストーリーで、翻訳されてから20年近く、どこで読んでやってもはずれたことのない一冊でした。

 でも、最初は5、6年生に……、それが4年、3年と降りてきて、いまや1年生になっちゃった、きゃ~、と思っていたところへ、4歳になったばかりの娘が図書館から借りてきておおはまりして、毎日その絵を描いている、というお便りがきました。

 そのかたは、私が“これは虐待の本ですよ”といったので、自分が虐待しているのか、と心配になって聞いてこられたのですが、いやいや、そういう意味ではありませんよ。

 その娘さんはもう、自分に起きたことじゃなくても理解できるレベルになっていて、自分を偽るのはまずいよ、という作者のメッセージをちゃんと理解しているのです。


 でも……。
 4歳で?!
 それも、お誕生日がきたばっかりだというのですから、なったばっかりの3歳ぷらす、の4歳で?!

 うっひゃ~。

 この3年、毎年新1年生が賢くなっていくのをあっけにとられて、というかあぜんとして見てきたわけですが、4歳はもっと凄いわけですか……。
 そうですか……。

 「ストライプ」は代表的な一冊ですが、ここらへんの、オブラートにはくるんでいるけど、本当のことをはっきりいっている哲学的な絵本が、いまの低学年にはウケるのです。

 凄い時代になったもんだ、と思います。

■赤木 かん子(本の探偵)
1984年、子どもの本の探偵としてデビュー。子どもの本や文化の評論、紹介からはじまり、いまは学校図書館の改装からアクティブラーニングの教えかたにいたるまで、子どもたちに必要なことを補填する活動をしている。
高知市に「楽しく学校図書館を応援する会」として学校図書館モデルルームを展開中……。
著書多数。

最終更新:2018/12/22(土) 12:05
ニュースソクラ

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