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“冬アイス”定着の陰で『100円みぞれ』が販売終了、ふわサク「進化系かき氷」戦争へ

2018/12/25(火) 6:30配信

オリコン

 「冬アイス」が好調な中、森永乳業のロングセラー商品『100円みぞれ』の販売が終了していたことが分かった。一方、アイスメーカー各社は近年、スイーツかき氷や濃厚氷といった「進化系かき氷」に参入している。かき氷と言えば夏に売れる商品だが、進化系かき氷は冬でも楽しんでもらえる味わいに仕上がっているという。今年、『100円みぞれ』に替わる新商品を投入した森永乳業に、発売に至るまでの背景を聞いた。

【写真】残るは在庫のみで販売終了へ…「しろ」「コーヒーフロート」味など『100円みぞれ』シリーズ&進化系かき氷

■「練乳がけイチゴ」や「宇治金時」…『100円みぞれ』の販売終了

 発売から50年以上愛されてきた、森永乳業の『100円みぞれ』シリーズ。「練乳がけイチゴ」や「宇治金時」、バニラアイスが入った「コーヒーフロート」など5種類が展開されていたが、同社によると、年々右肩下がりで売り上げが減少。とくに2000~17年にかけては4分の1以下にまで落ち込んだという。また購入者層の40%が60代以上のシニア層の男女が中心だったため、 若者など新しい層の獲得も課題となっていた。そこで同社は、『100円みぞれ』シリーズの販売終了を決断。今春までに3年かけて徐々に生産を中止した。

 一方、アイス市場は6年連続で拡大している。アイスクリーム協会によると、2017年度のアイスクリーム類及び氷菓販売額金額は5114億円と、業界待望の5000億円を突破。とくに冬から春先にかけて売り上げが伸びたという。まさに「冬アイス」が定着している中、種類別販売実績では、氷菓が前年を下回った。もともと、かき氷などの氷菓は夏に売り切るというイメージが強く、1年通しての売上高では、アイスクリームやラクトアイスに比べ伸び悩んでいた。

 森永乳業のマーケティング開発部の尾田京子さんは、変化が少ない氷菓カップ市場に対し、新しい価値を持った新ブランドを投入することで活性化させたいと考えていたという。「近年、かき氷専門店もブームですし、『100円みぞれ』のようなガリガリとした氷に甘いシロップ、という組み合わせではなく、ふわっとした食感の濃厚なかき氷なら1年中食べてもらえるのではと思いました」(尾田さん)

■かき氷でもアイスでもない濃厚氷を発売

 そこで森永乳業は今年6月、かき氷でもアイスでもない濃厚氷『蜜と雪』3種(抹茶、いちご、レアチーズ)を発売。上掛けソースと微細氷の2層構造で、かき氷のさっぱりとした特長とアイスクリームの濃厚さの両方を感じることができる商品に仕上げた。とくに微細氷にはこだわった。従来のガリガリとした粒の大きい氷ではなく、細かく砕いたものを使用、なめらかな口どけを実現させた。

 尾田さんによると、50回以上の試作を重ねて完成したという。「濃厚さを感じながら、後味をすっきりにするためには、どのような食感や素材の組み合わせにしたら良いのか、何回も検討しましたね。ソースの充てんや出来上がりの見た目など、サンプル段階ではできていたことが工場で製造してみるとうまくいかないことも多々あり、苦労しました」(尾田さん)

 また『100円みぞれ』シリーズで課題だった若者からの支持を、同商品は得られているという。「20~40代の女性に好評をいただいておりますね。SNS上でも『パケ買いした』や『濃厚だけどさわやかでおいしい』といった投稿が多く見受けられました。開発当初の狙い通り、氷菓カップ市場に新たなお客様を呼び込むことができたかなと思いますね」(尾田さん)

■「進化系かき氷」に他社も続々と参入

 一方、他社も続々と「進化系かき氷」に参入している。セブン-イレブン・ジャパンの『ティラミス氷』は2016年発売以来、スイーツかき氷の元祖として人気を集めている。フタバ食品は、濃厚でさっぱりの「サクレスイーツ+(プラス)」シリーズを展開。今秋にはチョコソース入りで濃厚な味わいの「チョコレート」と、2種類のラムの香りが楽しめる「ラムレーズン」の2種類が発売された。

 ますます競争が過熱する「進化系かき氷」。森永乳業の尾田さんは「冬アイスは定着してきたが、冬でもお風呂あがりなどはさっぱりしたアイスが食べたいという方も多い。気分転換をしたい時に、ぜひ『蜜と雪』を食べてほしいですね。氷菓ならではの贅沢感やご褒美感を楽しんでいただけると思います」と語っている。

最終更新:2018/12/27(木) 0:25
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