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「名大は世界と競争し、岐阜大は地域貢献を目指し補完し合う」

2018/12/25(火) 16:44配信

日刊工業新聞電子版

大学統合へ、名古屋大学総長インタビュー

 名古屋大学は1法人で複数大学を運営するマルチキャンパス構想を掲げる。2020年4月に東海国立大学機構を設立、岐阜大学との経営統合を目指している。大規模と中堅の総合大学同士の統合で、少子化の中で生き残りをかける大学のモデルケースとして注目を集めている。統合のメリットをどう発揮していくのか、松尾清一総長に狙いを聞いた。

 ―岐阜大学との統合に向けた交渉の進捗(しんちょく)状況は。
 「2018年度中の基本合意を目指す中でできるだけ早くという方向で進んでいる。機構設立に向けた基本合意書締結への合意形成や手続きも順調にいっている」

 ―1法人での複数大学運営には法改正が必要です。
 「文部科学省の法改正検討会議に参考人として呼ばれて考えを話してきた。それらを反映した法改正案が19年の国会に提出される見込みで、ほぼ順調だ」

 ―経営統合を目指す理由は。
 「日本は少子高齢化で医療福祉の経費増が見込まれる一方、教育予算は減っている。大学のプレゼンスが落ちている。高等教育機関が持続的に発展し、人類や社会に貢献するには今のままでは厳しいという危機感がある」

 ―岐阜大学と組む狙いは。
 「名古屋と岐阜がある中京圏はモノづくり産業が集積し、発展してきた。第4次産業革命と言われる現在、同じままでは成長が難しい。名大は世界と競争し、岐阜大は地域貢献を目指す中で補完し合い、組織的、戦略的に目標に向かえば地域産業発展に貢献できる」

 ―人材育成でも統合のメリットは大きいです。
 「英語教育や数理データサイエンス、専門領域をまたいだ研究、リベラルアーツなどに対応するには、個別の大学のリソースでは限界がある。各大学の特徴を組み合わせて強化すると共に、教育のやり方を変え、地域にも世界にも通じる人材を育成する必要がある」

 ―拠点の集約も必要になります。
 「糖鎖科学は名大も岐阜大も研究しているが、核となる拠点は一つのシンボルとして岐阜大に置く。医療データの統合は両大学の付属病院同士で取り組んでから関連病院にも広げ、地域医療に貢献する。獣医学など片方にしかない分野、関連設備を相互利用で情報共有し、共同研究などを加速的に進めたい」

 ―プロトタイプの役割も求められます。
 「様子見の大学が多いだろうが、新しい試みとして従来の大学のイメージを捨てる。名大はランク低下、岐阜大は名大に飲み込まれるという懸念を打破し、他大学が参考になる形を目指す」

日刊工業新聞名古屋支社・市川哲寛

最終更新:2018/12/25(火) 16:44
日刊工業新聞電子版

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