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青学大率いる原監督に聞く 箱根5連覇への重圧と指導者論

2018/12/26(水) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 2019年1月2、3日の第95回箱根駅伝の焦点は「青学大5連覇なるか?」「史上初の2度目の3冠(出雲、全日本大学、箱根)なるか?」である。最強軍団といわれる青学大を率いる原晋監督(51)が今、どんな思いで年明けの箱根駅伝に立ち向かおうとしているのか? 話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇ 

 ――箱根駅伝用に○○大作戦と毎回ネーミングしてきた原監督。今回は「ゴーゴー(55)大作戦」と名付けた。その意味合いを原監督はこう説明する。

「青学大陸上部を率いるようになって<15>年目を迎え、<95>回目の箱根駅伝で<5>連覇を狙います。ライバルはゼッケン<5>の東海大さんです。青学大は青山キャンパスだけではなく、平成<15>年に相模原キャンパスが開設されて地球社会共生学部、社会情報学部、理工学部が置かれており、所在地は(相模原市)淵野辺<5>丁目です。

 そして! 熱き思いで箱根を走るに当たって<郷>ひろみさんじゃありませんが(ヒット曲の『ゴールドフィンガー99』のサビの部分)アチチ! アチ! と歌いながら、メラメラと燃えたぎる気持ちを表現したいと思いました。<5>を持ち寄り、ゴーゴー大作戦と名付けたわけです」

 ――相模原キャンパスで行われた20日の壮行会で青学大・三木学長が「児童養護施設で暮らす子どもたちの大学進学を後押しする【児童施設推薦入試】を導入しました。病気などで駅伝を病院で見ている子どもたちを元気づけるコメントをぜひ発して欲しい」と駅伝部員たちに要望しました。

「私自身、ハンディを背負った子ども、挫折感を味わった少年にスポーツを通して感動、勇気、元気を伝えたい! と思っています。選手も、そういう思いを持ちながら走ることが、凄く大事であると確信しています」

■遊び心を持つ

 ――2018年は、いろいろな競技団体でパワハラ騒動が起こりました。

「社会が大きく変化していく中、スポーツ界は変わり切れていない。その歪みが2018年に多く出ました。小学生は12歳まで、中学生は15歳まで、高校生は18歳くらいまで、大学生は大体18~22、23歳と入れ替わるので〈年を取らない〉のですが、指導者だけが年を重ねて立場が強くなり、つい踏ん反り返りながら怒鳴り散らしてしまう。その結果、パワハラが横行することになる。上からギュッと押し付ける〈軍隊方式〉が日本のスポーツ界を誤った方向に導きます。

 指導者は〈絶対に君臨してはいけない>と思います。学生たちが自分たちの頭で考え、行動を起こすことを積極的に促し、それでも大舞台で勝てるということをこれからも証明したいと思っています。今後も<パワハラ根絶>を強く世間にアピールしたいと思っています」

 ――箱根駅伝の人気はすさまじく、原監督への注目度は増すばかり。プレッシャーはありませんか?

「(きっぱりと)ありません。注目されるほどに励みになって燃えてきます。プレッシャーを感じない方法? それは〈遊び心〉を持つことでしょうか? 遊び心なんて口にすると“原監督は勝負ごとを軽く考えている”と言われがちですが、我々は〈やるべきことをきっちりやっている〉という自負があります。だからこそ〈遊び心〉と口にしても問題はないのです」

■上りの5区と下りの6区は決まっている

 ――本番が目前に迫ってきました。仕上がり具合はどうでしょうか?

「まったく順調です。誰を(1~10区の)どこに当てはめるのか、これからパズルの組み合わせですね。監督の腕の見せどころです(笑い)。でも決まっている区間があります。山上りの5区・竹石(尚人=3年)と山下りの6区・小野田(勇次=4年)の2人は、昨年よりも良い結果を出してくれるでしょう。

 今回のエントリーメンバーの5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンのタイム、夏合宿や直前練習の消化率といったデータを見ると〈過去最高の状態に仕上がっている〉と言っていいでしょう。青学大で実践してきた〈選手個々の能力を引き出す〉ための指導法である〈青山メソッド〉〈原メソッド〉の申し子が、箱根優勝という完成形を披露してくれると信じています」

■地球社会共生学部教授に就任へ

 ――原監督の話題として「高校野球の監督に興味がある」というコメントが報じられました。いつか甲子園で采配を振る姿が見られますか?

「いやいや、来春から青学大の地球社会共生学部の教授に就任することが決まっています。大学スポーツのあり方、スポーツビジネスの将来像、2020年東京五輪に大学生がどう関わればいいのか? といったことを学生に伝えたいと思っています。絶対に、高校野球の指導者になることはありません。そのことはゲンダイに、ちゃんと書いておいてくださいね(笑い)」 

(聞き手=絹見誠司/日刊ゲンダイ)

最終更新:2018/12/26(水) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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