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子どもだけで米国を目指す難民、殺人や誘拐などの危険も メキシコ

2018/12/26(水) 8:30配信

The Guardian

目の前の危険に気付かない子どもたち

 だが、ティフアナで保護者を伴わない子どもたちの支援をする権利擁護団体「アル・オトロ・ラド(Al Otro Lado)」の創設者、ジェニー・ビジェガス(Jenny Villegas)氏は、子どもたちの多くは、自分たちが直面している危険の大きさに気づき始めたばかりだと指摘する。

「道中でひどい事態に直面する子もいれば、麻薬カルテルに誘拐された子もいる」とビジェガス氏。「子どもたちは多くのことに対処している。その上、ここに到着してみると、物事は思っていたほど簡単ではないことに気付き始める」

 保護者を伴わない子どもたちは大人の監督がないため、ティフアナのギャングや人身売買組織などに目を付けられやすい。ティフアナでのギャングの暴力は悪化しており、2017年の殺人件数は急増し、過去最高を記録した。

 ティフアナに到着した保護者を伴わない子どもたちは、自らが直面している危険や障害に気付かないことが多い。ホームシックと自分たちが逃れてきた暴力のことで頭がいっぱいだからだ。

 17歳のオルリンさんと15歳の弟マルコスさんは、ホンジュラス北部サモラ(Zamora)での祖父母との生活は安定していたと振り返る。だが、ギャングに加わるのを断ったため、2人は2週間以内に町を出ざるを得なくなったと言う。

「ホンジュラスは美しい国だが、ギャングの手により人が住めないような醜い場所になってしまった」と保護施設でマルコスさんは語った。「もう2度と戻りたくない」

 2人は10歳になる前に学校に行けなくなった。鉛筆やリュック、ノートなどの費用が家族の負担になりすぎたからだ。

「ギャングのせいで家の外にはほとんど出なかった。夜は絶対に外に出ず、日中でさえどうしても外出しなければいけない時は、店や目的地まで走って行かなければならなかった」とオルリンさんは語る。

 オルリンさんは膝に二つの丸い傷、左太ももにも一つ傷がある。2年前、強盗目的でギャングのメンバーに襲撃された際に撃たれたのだ。「本当にショックだった」「父はギャングに殺された。自分が次の犠牲者にはなりたくない」

 ギャングから最終通告が来たのは、ホンジュラスから米国を目指すキャラバンの第一弾が出発する直前だった。オルリンさん兄弟の親族は米各地に散らばって住んでいるが、2人はいつか英語を流ちょうに話せるようになり、建設の仕事に就いて、最後には自分の家庭を持ちたいと希望している。

 オルリンさんは米国境のある北の方角を向いて言った。「夢は、私たちの夢は、あそこにある」【翻訳編集:AFPBB News】

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

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最終更新:2018/12/26(水) 8:30
The Guardian

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